Call the Knight (ページ8)

今日:2 hit、昨日:19 hit、合計:20,614 hit

＊＊＊ページ8

.

『お時間貰ってすみません』

ゆ｢いや、いいけど急にどうしたの？｣

この時正直僕もビビってた。

もしかしたらしつこく連絡し過ぎて
“もう連絡してこないで”とか言われるんじゃないかって。

でもそんな心配は話しているうちにすぐに吹き飛んだ。

『グループの話なんですけど…』

ゆ｢…うん｣

『ゆきむらさんだけじゃなくて、
　ばぁうくんやななもりさんにも誘われててずっと悩んでたんです』

ゆ｢…｣

『これまでグループに所属しては自由に配信できなくなって
　脱退する人を沢山見てきました』

ゆ｢…｣

『それを見た上で中途半端なことになるなら
　私はソロとして活動していこうって決めてたんです』

まっすぐ僕の目を見て言うAを見て
正式に断りに来たんだと僕の中で諦めかけた時、

『それなのに…ゆきむらさんの話を聞いてたら
　意思が揺らいじゃいました』

ゆ｢え？｣

『今からでも…遅くないですか？』

ゆ｢それって…｣

『もし皆さんが許してくれるのであれば
　私も皆さんと一緒に活動がしたいです』

ゆ｢マジ？！｣

それが嬉しくて今度自分でもりさんに報告に行くという
Aのことを無視してそのまますぐにもりさんを呼び出したのは
昨日のことのように覚えている。

な｢じゃあAちゃんはそれでいいんだね？｣

『はい』

な｢じゃあ明後日またみんな集まるから
　その時にサプライズ発表しようか｣

こうしてAも合流して騎士Aが誕生した。

もちろん外野にAを標的にする人間が溢れるのは
本人も僕達も分かってた事だった。

有る事無い事書かれて、
それに流された人間に非難されて…
だから僕達でAを守ろうって決めてたのに…。

心の傷は僕だって沢山つけられてきた。

Aの気持ちだってこの中で一番分かってるつもりだった。

だからこそあんな言葉を左右されてほしくなかったし
自ら傷付きにいってほしくなかった。

Aが笑顔でいてくれたらそれでよかったのに…

僕が出来なかった事をAに強要して
余計に傷つけてしまった。

ゆ｢やっぱゆきむらは傷つけるしか出来ないんだな｣

『…そんなことないよ』

ゆ｢…A｣

僕が初めて惹かれた人は

『ゆきむがいてくれたから今の私があるんだよ…』

こんな僕に憧れていて、

『…何も知らないで酷いこと言ってごめんなさい』

僕なんかのために涙を流す…

素直で純粋な
汚れを知らない…

そんな綺麗な人間。