Call the Knight (ページ16)

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風邪ページ16

ｰそうま sideｰ

そ｢…遅いな｣

今日は久しぶりにAと出掛ける約束をしたものの
いつもは遅くとも5分前には来るはずなのに
10分過ぎた今も姿はない。

メッセージもなく、
もしかしたら昨日も遅くまで編集してて
寝坊したのかな、なんて思いながら電話をする。

だけど電話にも出る気配はないので、
いよいよ嫌な予感がしてAの家まで急いだ。

エントランスのインターホンを鳴らしても特に返事はなく
万が一の為に預かっている合鍵でロックを解除して中に入る。

いつもは何とも思わないのにこう言う時には
遅く感じるエレベーターに苛立ちを覚えつつ、
玄関前まで来た時に再度インターホンを鳴らすと、

ーガタンッ

中から倒れるような大きな音が聞こえてきた。

その瞬間嫌な予感があたったな、と思いながら
再び合鍵で鍵を開ければ玄関前に
顔を真っ赤にしたAの姿があった。

『そ…まちゃ…』

余程ツラいのか目に涙を浮かべながら
手を広げて俺を呼ぶA。

そ｢おいで、とりあえずベッド行こう｣

そう言えば、首を横に振るA。

『そまちゃとお出掛け…久しぶり…』

そ｢今日は中止、また行こう？｣

『でも…』

そ｢今はゆっくり休む方が大事！｣

そう言って嫌がるAを横抱きにすれば
首に腕を回して泣き始める。

そ｢お出掛けはいつでも出来るから、
　ゆっくり休んで元気になってから行こう｣

『ん…』

そ｢何か食べた？｣

『食欲ない…』

そ｢じゃあ薬も飲んでない？｣

『…薬、嫌い』

そう言えばAって薬も病院も嫌いだっけ。

そ｢とりあえず何か食べないと元気出ないから
　お粥なら食べれそう？｣

『…いらない、そばにいて』

困ったな。

少しだけでもいいから何か食べさせたいんだけど
俺がどこにも行かないように抱きついて離れないA。

この時間ほとんどのメンバーはまだ寝てるし
唯一起きてる可能性のあるてるとに電話をかけてみると
案外すぐに出てくれた。

て｢｢何、そまちゃ｣｣

そ｢ごめん、今時間あったりする？｣

て｢｢作業中だけど…
　今日Aちゃんと出掛けるんじゃなかった？｣｣

そ｢それがAが熱出しちゃってさ、
　何も食べてないって言うから買い出し行きたいけど
　離してくんないからお願いしたいんだけど…｣

て｢｢すぐ準備して出るからちょっと待ってて｣｣

そう言って切れた電話。