思春期の短編集【呪術廻戦】

手触り【狗巻棘】 ページ12

後輩狗巻×先輩A




*




『棘くん』




A先輩はフラッと教室に現れて椅子を持ってきて隣に座る。そして頭を撫でてくれる。
別に付き合ってるわけじゃ無い、「髪の毛サラサラだね」と言われてからこうなった。




『オデコ出てる棘くんもかっこよかったけど、こっちの方が私は好きだよ』

「しゃけ」




先輩に頭を撫でられるのは好き。
温かくて優しくて眠くなってくるような感じがする。




「A先輩も毎日飽きないですね」

『憂太くんも撫でてみる？気持ちいいよ』




指で髪を遊ぶようにクルクルしたり、パラパラと指の隙間から落として楽しんでいる。




『色も綺麗だし、サラサラだし、いい匂いだし』

「い、！？」

『そんな驚かなくてもいいでしょ？』




嗅がれてたのか、と思うと恥ずかしくて距離を取ってしまった。

「戻ってきて」と椅子をトントン叩く先輩。




『偉いね〜棘くんは後輩の中で一番私の言う事聞いてくれるよ』

「……明太子、」

『今のどういう意味？』




今の明太子は特に意味はない。
また先輩に頭を撫でられる。

…気持ちいいな。




『あ、授業始まるから行くね』

「さよならA先輩。」




温かい手が頭から離れていく。


もっと撫でてほしくて先輩の腕を掴んだ。




『ふふ、また後でね』

「しゃけ！」




A先輩の事が好きと気付くのはもう少し先の話。





**




「あれはいつ付き合うと思う？」
「5年後ぐらい。」




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