おかえりなさい。【KN】 2014.9 (ページ8)

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実際はページ8

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『あのさ、長く応援してるとか、してないとか関係ないって。
　応援してくれてる事に変わりないんだからさ。
　ま、オレたちにとっては、そりゃ長く応援してもらえてるってありがたい事だよ？
　…でも、Aにとって、そこに何か意味あんの？』

『…！』

『それにさ、必要の度合いなんて、他人が外から客観的にわかんないじゃん。
　それとも…え？まさかAは、“私あの人の次だな”とかわかんの？…わかんないでしょ？』

『…う…わかんない』

『だからさ、別にいんだよ…』

ふ…と表情を緩めた和也が、私の手をキュッと握る。
温かい手から、温かい気持ちが流れてくる。

『その人が必要と思えば必要なんだよ。
　でも、どう必要かなんて、その人しかわかんないよ？
　誰かと比べるなんてナンセンスなんだって』

…そうか
居場所がないとか、ふさわしくないとか…
私、誰かと比べてた…。

『それに、Aの話は、ぜーんぶ仮定なんだよね。
“きっと○○と思う”ってさ、Aがそう思ってるだけで、そんなの実際どうだかわかんないよ？
　長かろうが短かろうが、必要度合いがどうだろうが、金と時間使ってわざわざ見に来てくれた人に、ちゃーんと楽しんでもらえたら、オレはそれでいーの。
　居場所がどうとか、ふさわしいかどうかなんて、気にするのおかしーでしょ。
　楽しみたい人が、好きなように楽しむもんなの。
　来てる人みんなが居て然るべき場所だし、来たいと思ってくれた時点でふさわしくない人なんて居ないの！
　Aが気にする必要これっぽっちもないでしょ』

『それはそうだけど…でも…』

『はい、ストーップ！』

和也は、左腕を前に突き出して、笑顔で私を遮った。
その指先をつっ…と動かして、ゆっくり私の髪に触れる。

『オレの話を聞いても、まだモヤモヤしてるよね？』

『…うん』

『思うんだけど、これって、もうAの気持ちの問題。
　つまり、心の中でそう理屈をつけて思い込んでいただけだからさ、それがどう論破されようと、Aはモヤモヤしたまんま。
　…そりゃ、そーだよ。
　だって、勝手にそう理屈づけちゃっただけで、実際はそこじゃないんだから』

そこじゃない…

あ…だから、こんなにまだモヤモヤして苦しいのかな。
本当にそうかも…。

私の…気持ちの問題…

『そう…なのかな…』

『でしょ。ほら、だって、ライブじゃ二宮サン独り占めできないもんね』

『え？』

思いがけない言葉が和也から出てきて戸惑った。
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