わかってる？ ページ14
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Aは何か特別な料理でもお願いしようと思ってたみたいだったから、席の予約だけでいいって言った。
いつも通り。
Aと美味い料理と酒と誰にも邪魔されない2人だけの空間があれば、それが一番の贅沢でしょってね。
そしたら一番の贅沢はそのままに、いきなり最初の乾杯がスペシャルで。
Aが考えてくれた小さなサプライズ。
グラスに添えた白い左手首には、オレが渡したあのブレスレットがシャランと音を立てててさ。
ゴールドのチェーンに連なって透き通った光をキラリと上品に放つ天然石…
『この種類は別名インペリアルトパーズとも呼ばれておりまして、本来はシェリー酒のようにもっとオレンジがかった物が希少価値があるとされておるのですが、これは鮮やかな黄色でも透明度が高くオレンジにも引けを取らない上質な石を使っております』
『石言葉は“誠実で真実の愛”そして“希望”…大切な方に贈るのにとても相応しい石です。末永く大事にしてやってください』
控え目でも眩しい輝きの中に、いつかの宝石屋の親父さんの言葉が重なる。
せっかくあげたんだから普段から使えばいいじゃん、壊れた時にはまた買ったげるよ、って水を向けたこともあったけど。
Aはこれが宝物だと言って、本当に大事にしてくれていて。
特別な時にしか使わない。
手にしたシェリー酒と同系色の黄色い濃淡の石たちが、今のAにはしっかりと馴染んでる。
言うことないじゃん。
これで十分。
オレにとっちゃ、Aがオレの為にって考えてくれたこの時間がそのままプレゼント。
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バカ話の合間に訪れた静寂も心地いい。
2人並んでなんにも喋らず、サワーを飲みながら気兼ねすることなく寛いで。
…そーね。
うん。忙しいよ。
今年はめっちゃ忙しい。
でも、声高に言うことじゃない。
オレだけじゃなく、うちの人たちみんなそーだし、何なら周りのスタッフや事務所の人たち裏方で動いてくれてる人たちの方がもっと忙しんだから。
来年なんて、今年以上に忙しくなるに決まってる。
だからね。
今、こうして一緒に居て、嬉しそうに普通に飯食って笑って泣いて、ずーっとオレの手を取ってくれてるAの存在にめっちゃ癒されてる。
オレがオレで居られるこの取るに足らない小さな日常に…
本当に大切なアナタには愛の言葉も簡単に囁けないめんどくさいオレの傍で、同じ未来を歩いてくれているAに、オレがどんだけ感謝してんのか…。
オマエ、わかってる？
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kico(プロフ) - あさひさん» あさひさんコメントありがとうございます！某その節は「もう続きは書けない＞＜」って散々愚痴を零してましたもんね(苦笑)^^;このタイミングで書けて良かった。今の幸せな2人を見届けてくれてありがとう(*´ω`*)大感謝です(感涙)！ (2019年10月27日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - kicoさん、素敵なお誕生日のお話ありがとうございます！今の二人が変わらず幸せで、私も幸せですー！定食屋さんのお話、もう読めないかなと思っていましたが、読めて嬉しいです！YELLOW MAGIC 読み返してきます！ (2019年10月26日 12時) (レス) id: 1753a678de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年10月11日 18時
