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「あーくそ、腕と背骨だけじゃなくて、ベロまでやられたわ(笑)。
ねー、Aどーすんの？こりゃー、ちょっとやそっとのサービスじゃ治んないよ？」
「…はい？」
「ってことで、ハイ決定ー！
今夜はスペシャルサービスでよろしく！！」
「……。桜、いい眺めだねー」
「スルーしてんじゃないよ(笑)！」
「イタッ(笑)！」
いつもの調子でふざけ合っていると、ザー…ッと風が吹いて枝を揺らした。
花びらが一面に舞い散っていく。
「…わ、見て見て！すごく綺麗だよ！」
「は、そればっかだなー(笑)」
「だって、ほら、本当に綺麗だもん」
「……」
私に視線を止めた和也が、持っていたボトルを、ことり、と横に置いた。
「…？」
「A…」
左手が、そっと頬に伸びてくる。
…え？？
「な、なあに？」
「……」
無言の視線の、絡み合う刹那。
「か…和也…？」
眼差しの奥に熱を感じて、胸がドクン！と大きな音を立てた。
「A…」
「あ…///」
「じっとしてて…」
微かに細められた目が、色を帯びる。
絡んだままの視線は、私を捉えて離さない。
あ、うそ…どうしよう…。
これって…///
ふざけ合っていた空気からの温度差に戸惑ってしまう。
しかも、部屋の中ならまだしも、ここは外。
誰もいないとはいえ、恥ずかしさが先に立つ。
でも…。
それ以外に拒む理由なんて、何もなくて…。
「和也…」
顔が熱い。
気持ちを決めると、うるさいくらい胸がドキドキし始めた。
きゅーっと目を閉じて、左手を待つ。
――それなのに。
伸ばされたその手は、熱を帯びた頬をあっけなく通り過ぎ、髪に触れた。
そして、あっさりと、すぐに離れた気配。
え…？
「はい、もういーよ」
「？？」
目を開けると、既に左手は下ろされていた。
えっ…？
なに？それだけ？
今の…一体なんだったの？？
「なーに、そんな不思議そーな顔してんの(笑)？」
「だ、だって…」
「…はい、あげる」
左手で私の右手に何かを握らせたかと思うと、和也は何もなかったようにまた前を向いてクフッと笑ってみせた。
「？」
開いてみると…右手のひらには、薄紅色の小さな花びら。
「あ…これ…」
「そ。髪についてた」
なんだ…これを取ってくれただけ…。
「あ、ありがと…」
「いーえ(笑)」
……。
やだな、バカみたい///！
勘違いも甚だしくて、めちゃくちゃ恥ずかしい///！！
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
