いつか ページ1
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ふと、今、何時かな…と、広い和也の部屋のリビングで壁の時計を見上げた。
２本の針は、文字盤の「１」の少し先で重なっている。
午前１時６分…
明日は私も普通通り出勤だから、もう寝なきゃいけない時間だ。
「今日は遅くなるから、もう寝てて？」と、和也からはいつものように連絡があっていた。
普段からも「帰りが遅いってわかってる時は、無理に来なくていいんだからね」とよく言われている。
だけどね…
ごめん。
私がここに来て、こうやっていたいから…。
＋＋＋
こうして、和也と付き合うようになって。
日々を一緒に過ごして知らなかった面を知って、自分でも戸惑うくらいに、もっともっと好きになってしまってる私がいる。
これまで、こんなに誰かを好きになって、誰かを大事に思ったことなんてない。
もう、和也のいない毎日なんて考えられない。
だけど、深く好きになればなるほど、それを言葉にするのが難しくて。
『彼のどこが好きなの？』と誰かに訊かれても、逆に今では簡単には答えられない。
ただ言えるのは、和也と過ごす時間が当たり前になっていて、その心地よさは他の誰かに代えることができないもので。
時間的にそんなに長くいつも一緒に居られる訳じゃないけれど、たとえそれが短い時間でも、いつも私は和也から形にできない大切なものを、たくさんもらっている。
もらうばかりで申し訳なくて…
何にも返せるようなものを持っていなくて、もどかしい…という話を前にした時。
和也にブハッと笑われて、「ほんとーに、Aって鈍いよね。そんな事もわかんないの？」とからかわれながら抱き締められた。
「そんなこと考えなくていーから、オレはね、アナタがこーして一緒に居てくれたらそれでいいの」
耳元で照れながら告げてくれた言葉と、そう言って優しく落としてくれたキスが、どれだけ私を幸せにしたか、きっと和也は知らない。
その言葉の本当の意味なんて、本人以外にはわからないけれど…
それでも、何も持たない私と一緒に居たいと和也が思ってくれていることに、私は最大級の喜びをもらっているから。
願わくば、私と一緒に居て、何かを同じように和也も受け取ってくれていたらいいな…とは思う。
けれど…
それは贅沢なお願いだから、だったら、いつかそうなれるように。
いい人とかじゃなくて、ただ、せめて和也に恥ずかしくないそんな人間でありたい…
そう思いながら、私は毎日を生きているよ。
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ponzu(プロフ) - kicoさん» わかりました！お返事ありがとうございます！飛ばして続きの話読ませてもらいます！ (2019年6月19日 8時) (
レス) id: 1d6e94b5bf (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - ponzuさん» なお、ご参考までですが『この手のひら〜』を飛ばしても続きのお話は問題なく読んで頂けると思います^^よろしければ♪ (2019年6月18日 21時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - ponzuさん» ponzuさんこんばんは。『この手のひらに在るものは、今…』の件でしたら、申し訳ありませんタイトルにもありますように、現在修正中のためパスを掛けています（わかり易いように先ほど本文にも注意書きを入れました^^）。ご理解のほどよろしくお願いいたします。 (2019年6月18日 21時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ponzu(プロフ) - こんにちは！この小説の続きを読みたいのでパスワード教えてもらってもいいですか？ (2019年6月18日 17時) (レス) id: 1d6e94b5bf (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - そうなんですね。ちゃんと見ずにコメントしてしまい、すみませんでした。 (2018年6月17日 18時) (レス) id: 1c2fe94003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2015年2月2日 18時
