CMキャラクター ページ7
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くたびれかけた襟元をしっかり整えて、丁寧に畳む。
こんなにくたくたになりながら、それでもいつも和也を包んでくれてありがとうね、なんて心で話し掛けると、このTシャツが堪らなく愛しく思えてきて…。
和也が前を向いてこっちを見ていないのをいいことに、これにもこっそりと顔を埋めてみた。
あ…やっぱり和也の匂いがする。
ブランケットもそうだけど、なんだろう、こうして和也の匂いに包まれていると、和也の胸にいるみたいですごく安心できる。
これだけで、こんなに幸せに浸れるなんて、変なのかな？
もしかしたら、私、匂いフェチなのかも…。
「そーんないい匂い？」
「えっっ！？」
慌てて振り向くと、ステージクリアした後の画面の黒い背景越しに写った私を和也が面白そうに見ている。
「さっきもやってたじゃん、それ(笑)」
「あ…///」
やだ、もう、背中合わせで見られていないと思ったのに、今の見られちゃった！！
すごく恥ずかしい///！！
真っ赤になって固まっていると、和也は着替えたばかりの自分のシャツをくんくんと匂ってみせた。
「まーね、確かにコイツいい匂いするよね」
「…コイツ？」
「やっぱ、CMキャラクターが素晴らしいからだろーなー(笑)」
和也はうんうんと頷きながら、またゲームに視線を戻した。
「CMキャラクターって…あ、なんだ、洗剤の話…？」
「ん？…違うの？」
「…え？あ、ううん…違わない(笑)」
「はー！？なによ、その日和見的な返事はー！」
和也がグーッと背中を倒して、また体重を掛けてきた。
負けるものか！と、私も体重を掛け返すけれど、あれ…？今度は私の力じゃほとんど押し返せない。
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作者名：kico
| 作成日時：2016年7月2日 7時
