きみを待っていた

6 ページ6

Ki side


マネ)すいません、レジ混んでて…


そう言いながら素早く乗り込んだマネがシートベルトをしてサイドブレーキを外す音がした。返事をしないまま、車が動き出す。気付かれぬように小さくため息をついた。わからない。アイツが何を言い出したのか、なんの話があるのか。ここのところ分からないことばかりだ。ブブｯと携帯が震える


たいすけいける?いけない?


何年もやりとりをした覚えのないトークルームが表示される。


きたやまわかった。終わったらな。誰が来んの?


アイツが俺を含めて何かを話したいと言うならなにか大事なことなのだろう。取りあえず誰が来るかで目処だけ立てておこう。


たいすけお前だけ。二人で話したい。


はぁ？思わずぐるりと首を回したとき、車が止まって、ドアが開く。


S)おはよー

2)おはよ、


そう言いながら乗り込んできた双子に意識をとられた。


「お、はよ、」


たどたどしく挨拶を返すけど、乗り込んだ双子が奥の姿を見て固まった。


2)え…なんでガヤが乗ってんの？


ぼそっとニカの声が車内に響く。


S)め、珍しいね！ガヤちゃんがこっちの送迎に乗ってるの！


空気を変えるように千賀が奥の座席へと進んで、アイツに声をかける。ニカはドアを閉めたところで止まっている。なんだ？わからない。また携帯が震えて、メッセージが表示される


たいすけ他の奴には言わないで。またあとで連絡する


あぁもう。分からないことがまた増えていく。アイツの方をじっとみたまま動かないニカを隣に無理やり座らせて、車を出してもらう。むすっとしたニカの機嫌はどう治せばいいのだろう。頭を抱えそうになりながら、ニカの機嫌を取ろうと興味を持ちそうな話を振ってみたけれど、ニカは曖昧に相槌をうつだけだった。

7→←5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す