検索窓
今日:18 hit、昨日:30 hit、合計:179,086 hit

2 ページ37

Y side


S)急がば回れっていうけどさぁ、回りすぎだよね。こっちがやきもきしちゃった!


注文を通したあと、烏龍茶を飲みながら千ちゃんは全くもう、と嬉しそうにため息をつく。


T)どうせ離れたらだめになるくせにごちゃごちゃ考えすぎなんだよあの二人は。

S)うわ、きっつ!

T)間に挟まれる人の身になってほしいよまったく。


確かに玉は前三人と言われてあの二人の間にずっと挟まれてきたから、俺らが知らない空気を味わうことも多かっただろう。実際何回か愚痴聞いたし。


M)たまも頑張ってたもんね。

T)うっせ。


よしよしと頭を撫でる俊くんの腕を乱暴に振り払って悪態をつく玉の顔も、なんだか嬉しそうだった。









.









Y)俊くん、

M)んー?どーしたのよこーさん


玉とわちゃわちゃと戯れながら酒を飲んでいたけれど、玉が飽きたらしく双子と遊びだしたので、少し話そうかとにこにこしながら飲む俊くんに声をかけた。


Y)ミツのこと、ありがとね。

M)ん?なにがー?

Y)いろいろ。話してくれたんでしょ?


あの日、ミツがみんなに怒った日、何と声をかけてよいのか分からなかった俺たちに俺がいくねと言ってミツと話しにいってくれた俊くん。太輔が想いを伝えたあとも、戸惑うミツの後押しをしてくれたのも俊くんだと太輔経由で聞いていた。


M)んー、どうだろ。俺はニカみたいにまっすぐぶつかっていけないからね。俺が思ってること伝えただけ。がやさんのことはよこーさんが全部やってくれてたし。まぁ、辞めろって言われると思って覚悟決めてくるとは予想してなかったけどねぇ、


コトン、と飲んでいたビールを置いて苦笑いを浮かべる。そんなことを思っていたなんてあとから聞いてビックリしたけれど、なにも知らないミツからしたらそう思っても不思議はないのかもしれない。ミツは自分のきもちにさえ気付いていなかったし、いろんな可能性を考える人だしね。それでもどんなきもちで日々を過ごしてきたのかと思うと胸が苦しくなる。


M)きたやんはねー、考えちゃうと動けなくなるからね。特にがやさんのことになるとね、慎重にも程があるくらいガチガチになっちゃうから。


やんなっちゃうね、と苦く笑う俊くんの顔を見ながら2人のことを思う。見ていないようでどこか通じていて、すれ違っているようで繋がっている。回りにいる人のほうが二人の関係性がよく見えていた気がする。

3→←after that



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (334 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
617人がお気に入り
設定タグ:藤北 , FK
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

imtr(プロフ) - まいまいさん» まいまいさん コメントありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!もう少し続いていきますので、引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年5月23日 18時) (レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - えー、わからない…続きが読みたくて読みたくて気になりすぎです!!面白いです。続き楽しみにしています! (2021年5月23日 0時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:imtr | 作成日時:2021年5月19日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。