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ほぼ全員がAに興味を示していた。
それもそのはずだ。
前にもあいつの話はした。
それに多分全員が今回の選定でAの名をあげるつもりだったのだろう。
胡蝶が言っていた通り柱になれるのは現状あいつだけってのもあるが。
Aは甲になる前から注目されたし、優秀な剣士は柱なら存在くらいは全員が知っている。
俺が他のやつの立場だったとしても気にはなっていたはずだ。
「……ド派手な呼吸にあの才能だ。褒めもするだろ。
まっ俺の継子だからな。そんくらいできて当然だけどな。」
「言い方は宇髄さんらしいですね。
けど……珍しいですねぇ。そんなに表立って褒めるなんて。
余程優秀なのでしょう。」
「なら一層 柱にするべきであろう。」
手でも組んでんのかと言いたくなった。
こういうところだけ結束しやがって。
「あいつにはまだ早いんだよ。柱は。」
そう言っていると、お館様のお成りですと声がして 全員 縁側の下で跪いた。
「お早う、皆。
元気にしてたかな?」
「お気遣い痛み入ります、ここにいる一同 変わらず過ごしております。
お館様こそいかがお過ごしでいらっしゃいますか? 」
「ありがとう、天元。
私は大丈夫だよ、みんなのお陰もあって元気に過ごしている。
…聞いていると思うけど、杏寿郎が天命を全うして少し先に旅立って行った。
悲しいけれど、私たちは前に進まなくては行けない。
杏寿郎もそれを望んでいるだろう。」
お館様が議題を提示されると場の空気がより一層引き締まった。
「それで、新しい柱の相談だけれど…天元。
天元の継子は甲で鬼を伍拾以上倒していたよね。
それに実力も柱になるに申し分ないと聞いている。」
「はい。」
ついに来たかと心と言葉の準備をする。
お館様であれば理解していただける。大丈夫だ。
「私は天元の継子のAが相応しいと思うのだけど、皆はどうかな?」
お館様が問いかけると、皆が異論はないという風に口を開く。
決まりのように思えた雰囲気を崩しにかかる。
「…申し訳御座いませんが、俺はまだAを柱にする時ではないと思っております。」
全員の目が俺に集まる。
一部のやつらの視線が痛ぇ。
「…どうしてか 聞いてもいいかい?」
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作者名:ヒイロ | 作成日時:2020年4月21日 19時