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「下準備は私でしておくけど、皆で作った後に食事を共にする予定だよ。
一緒に美味しいふろふき大根を作ろうね。」
そういうと少し喜んだようにも見えた。
「お館様は父上のようだけど、Aさんは姉上みたい。
またその時になったら連絡して。俺は他の人に合わせるよ。」
また どうせ覚えてないから、と後に付け加えた。
その後はお会計を済ませて別れた。
当初の予定より遅れたけれど、その分無一郎くんの参加の意思も聞けたし 交流を深めることもできた。
小金丸も丁度良く帰ってきて、蜜璃ちゃんの参加する旨と好物を伝えてくれた。
しのぶさんによると蜜璃ちゃんが参加するとなれば伊黒さんは簡単に攻略できるらしいので、小金丸に任せた。
今のところ 五人の参加は決まった。
あと二人…伊黒さんは安心できるとして、どうやって冨岡さんを参加させるかだ。
頭を悩ませているといつのまにか冨岡さんの屋敷まで来ていた。
深呼吸をして、戸を叩く。
「御免下さい、藤堂です。」
不死川さんとは違い少し時間が空いた。
もしかして家を出ているのかもしれないと思っていたら人の気配がした。
「……何だ。」
戸を開けながら冨岡さんがそういった。
しのぶさんに最初に相談しておいてよかったと心底思った。
しのぶさんによると_______
『冨岡さんは言葉が足りない上に無表情と愛想が良くありません。
そして必要以上に人と関わろうとしません。
ですが、お館様にそっくりなAさんが根気強く押し続ければもしかすると折れるかも知れません。
意外と負けず嫌いだったり、天然ドジっ子だったりするので上手く扱ってくださいね。
鮭大根が好物であることは間違いないので、それを囮にするのもアリだと思います。』
とのことだった。
不死川さんにも全力で使ったが、冨岡さんには初めから雰囲気も声も抑えずにいった。
「少し話があります、お時間を頂けますでしょうか?」
「何故だ。
何故俺に構う、俺の他にお前を慕うものはいるだろう。」
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作者名:ヒイロ | 作成日時:2020年4月21日 19時