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承諾してくれた無一郎くんに御礼を言うと注文していたふろふき大根が届けられた。
二人で手を合わせ、いただきますと言う。
箸を持ち、ふろふき大根を口に運ぶと少しだけ顔が綻んだように見えた。
「無一郎くんはふろふき大根が好きなのかい?」
「…うん、多分そう。
何でか いつも頼んでる。」
そう言って黙々と食べる。
これで参加の意思も聞けたし、好きなものを知れた。
あとは仲良くなるだけ。
けど、明日には今日の記憶がないかも知れない無一郎くん。
覚えていてくれることを願いながら交流していくしかない。
「Aさんは何が好きなの?」
どうやって仲良くなるか考えながらふろふき大根を食べていると無一郎くんの方から質問してくれた。
「お寿司かな、けど基本的に何でも好きだよ。
というより誰かが作ってくれたものは美味しく感じるかな。」
「ふーん。
覚えてたらまた一緒にご飯食べてよ、お館様といるみたいで落ち着く。」
まさか無一郎くんの方から誘ってくれると思っていなかったので驚いてしまった。
もちろん誘いは承諾した。
次はお寿司食べに行こ とまで言ってくれた。
最後には覚えてたらだけど とついていたけれど。
食べ終わると ふと今回何をするのかを伝えていなかったのを思い出した。
「御馳走様でした。
そういえば、今回何をするか伝えてなかったよね。
柱の皆さんの都合が合う日に私の屋敷で一緒に料理をしようと思っているんだ。
皆さんの好物を作る予定だから、ふろふき大根もあるからね。」
無一郎くんも同じくらいの時間で食べ終わっていたので、箸を置いて手を合わせていた。
私の言葉を聞くと、こちらに顔を向けて 一拍おいて口を開いた。
「Aさんが作るの?」
「そうだね。
下準備は私でしておいて、皆で作った後に食事を共にする予定だよ。
一緒に美味しいふろふき大根を作ろうね。」
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作者名:ヒイロ | 作成日時:2020年4月21日 19時