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村田視点





佐藤Aが亡くなった。


その報せはすぐに隊にまわっていった。俺がその報せを聞いたのは蝶屋敷で、炭治郎の妹と善逸と猪頭と一緒に炭治郎達の帰りを待っていた時だった。

先程まで元気だったこいつらは、屍のように固まり、笑顔をなくした。妹を見て鼻を伸ばしていた善逸は泣き出し、暴れていた猪頭はワナワナと震えだす。

そんな中、どうしたのかと言いたげに俺の隊服を摘む禰豆子。きっと、言葉が、意味が分からなかったのだろう。曇りなき瞳が俺を映していた。

禰豆子の片手にはAが羽織っていた桜の花びらが散りばめられた、羽織が。任務に着ていくと汚れてしまうからと置いていったものだ。

俺は、唇をかみ締めてから、こう言った。


「…Aはもう、帰ってこないんだ」


途端に、善逸の泣き叫ぶ声が耳を劈く。


「うわぁぁあ!!嫌だよぅ、俺と結婚してくれるって言ったじゃんかー!!!」

「……Aは…死んだのか」


ぽそりと呟いた伊之助。自身の刃こぼれした刀を握りしめる。


「うがぁぁああー!!殺してやる!Aを殺した鬼を!じゃねぇと俺の気がすまねぇ!!!」

「えっちょっ、伊之助待てよ……!!」


再び暴れだした伊之助を押さえ込んだ善逸。そのときに取れた猪頭からのぞいた顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。なんだか、つっこんで止める気力も失ってくる。虚無感を感じる。


禰豆子はむーっと苦しそうに声を出して、力強く羽織を抱きしめた。










Aは、お館様のような人だった。

彼女に救われた人は数知れず。まさに聖母のようだった。そして人脈も広く、色んな人に声をかけては笑い合う。
ただ、それによって困ることは多いようで、同期の俺はAの相談相手になったりもしたっけなあ。

今、彼女がいなくなってから、隊士のほとんどが情緒不安定で、蝶屋敷に通う者が多くなっている。それほどまでに、彼女の存在は大きかったのだと改めて実感した。





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設定タグ:鬼滅の刃 , 溺愛 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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美穂(プロフ) - 続きが凄く気になります (2023年2月2日 12時) (レス) id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2020年3月24日 20時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!この作品好きになりました!続き待ってます! (2020年1月26日 0時) (レス) id: 7ae7374779 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年1月25日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!続き楽しみにしてます!頑張って下さい! (2020年1月21日 13時) (レス) id: 059c2de8f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はらぺこんぐ | 作成日時:2019年12月6日 21時

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