2話 ページ3
「やっぱこんな天気じゃ、人もいねぇし店も閉まってるか………」
普段なら灯りが付いて賑わっているであろう商店街も、生憎の天気でどこも閉まっている。出歩く人もいないのと年季の入った建物が多いせいで、生気を失っていた。
「…反対側の海岸にでも行くか」
だがここで諦めて帰ろうとしないのがこの男。街がダメなら自然に頼ればいいの考えなのか。
そして歩く事30分。
「うおーーーっ！風やべーーーっ！！波もやべーーーーーっ！！」
降り頻る大雨と止まない強風で海は荒れに荒れていて、船着場のような場所にはいくつか小さな船が止まっていた。申し訳程度にくくりつけられた縄はもうちぎれてしまいそうだ。
「ここもなんも無さそうだし、バレねぇうちに帰るか……ん？」
やっと帰る気にはなったらしい。回れ右をして船に帰ろうとした時。
ふと、人影らしきものが見えた。
「(こんな天気でも外出るやつ、おれ以外にもいるんだな……)」
フラフラとおぼつかない足取りで数メートル歩いたところで、それは倒れてしまった。
「…！おい、大丈夫か！！！」
傘を放り出して急いで駆け寄り、目にしたのは。
「…どんな量の怪我だよ、これ……！」
真っ白な、少女だった。
見ているだけでも痛々しい傷を何箇所も負い、脚はおかしな方向に曲がっている。
でもまだ息はあった。生きているのだ。この致命傷を負ってでも。
エースは急いで少女を姫抱きし、ここから真反対にあるモビーディックに向かって走り出した。
例え自分が何を言われたも構わない。今はただ、自分の腕の中の命を助けることだけしか彼は考えていなかった。
ずぶ濡れになって走ること15分。勢いよく船のタラップを駆け上がり、周りの目も気にせず船医室に一直線に向かう。
「マルコ！！！！！！！今すぐ診てもらいたいやつがいる！！！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミクリ - え？もしかして五条さん呪詛師になっちゃった？？マジか！妹ちゃんが亡くなったのが原因か…もしかして五条さん（兄）もワンピースの世界に飛ぶんですかね？ (8月14日 21時) (
レス) id: a55a9cd9ea (このIDを非表示/違反報告)
にの - 12話の最後で「えっ…？」て声が出てしまいました。これからも楽しみにしてます！ (2022年10月16日 21時) (レス) @page14 id: 11a3c31381 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白かったです。一気読みしました!戦闘シーンが楽しみです。この先どうなるのか気になりますね。続き楽しみにしています! (2022年10月3日 17時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 面白くて一気に読みました…！更新楽しみにしてます！！ (2022年8月29日 22時) (レス) @page10 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
うに - 求めていたものがここにあった...！！すきです！！！！！ (2022年8月24日 18時) (レス) @page10 id: df676e7219 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯖の塩焼き | 作成日時：2022年3月29日 16時
