【男主】童磨が子供を拾った？ようです【鬼滅短編集】

来年もまた （完） ページ18

・



「わぁ……！！」


満月の下、煌々と輝く月明かりに照らされて淡い色を夜空に浮かべる桜の山。
この山には俺の知り合いの鬼がいるから、人が寄り付かないんだよね。


「ちょうど満開だねえ！いやあ、よかったよかった」

「すごい、きれい……！かわいいお花……！これがさくらなんだ……！」


風に吹かれて桜の花びらが散る度に、掴もうと手を伸ばしたり跳ねたりするAをのんびりと眺める。


「童磨さま！ちょっとしゃがんで？」

「ん？なあに、A」


素直にしゃがんであげると、髪の毛に何かを刺された。


「さくらのお花！きれいなのがそのまんま落ちてたから、童磨さまにあげる！」

「俺に？」


可愛いことしてくれるなあ、もう。
それなら俺も、と綺麗な桜を一輪手に取り、Aの髪にそっと刺してやった。


「Aには桜が似合うなあ、可愛いよ！」

「ほんと？」

「ああ、本当だとも」


お揃いだね、と笑うAの頭を優しく撫でてあげる。
自然と笑みが零れるのは何故だろう？


「A。来年もまた……一緒にここの桜を見よう。約束だよ？」

「うんっ！」



願わくば、来年も再来年も……ずっときみと、変わらずに桜を見られますように。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

これも書きたかったネタです。
リクエストおまたせしててごめんなさい！順次消化していきます……！

新規リクエストはまだまだ受け付けていますので、お気軽にコメント頂けると嬉しいです！

新雪に咲いた花 (童磨)→←来年もまた （童磨）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す