片割れボーイ ページ18
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夏休み。
一学期末テストで赤点を取ってしまったため、補講中。
同じクラスの人はほとんど居なくて、京子もいない。
学年の選ばれし赤点組か。
ざっと20人ほど?
早く終われ。
暑い。
しんどい。
会いたい。
「…………A、」
補講が終わるとすぐに誰かに名前を呼ばれた。
「やっほ」
「え……っとー、?」
「覚えてない!?ぴかぴかコンビの片割れ!」
「…あ、黒ちゃん?」
「そーだよ!なんで忘れちゃった!?」
話しかけて来たのは高1の時同じクラスだった黒田光輝。
光成と委員会活動をしている時に絡んで来て、
「おれ、このイケメンとコンビ組むわ!」
とか言って光成満更でもなさそうな顔してたっけ。笑
それから光成と黒ちゃんは、お互いの名前に“光”が入ってるから“ぴかぴかコンビ”って呼ばれるようになった。
別名、顔面無双コンビとか?
「雰囲気変わったね」
「そお?」
「うん、イケメン度増した」
「でしょー?サラストからパーマに変えたんだー」
褒めるとすぐ図に乗るの、変わってないな。笑
「こーせーと最近どう?」
「あーうん、まあまあかな」
「こーせー忙しそうだよなー最近。生徒会役員とかなっちゃって、ぴかぴかコンビ置いてくのかっつーの!」
「……黒ちゃんってさ、人脈広いよね?」
「突然なに笑」
言えない。
副会長と光成仲良いよね?
ちょっと気になってさ、何かあったのかな?
_浮気かな?
なんて、言えない。
「生徒会の人とかと関わりある?」
「え?笑」
「光成生徒会の仕事で忙しそうだから、なんかわかんなくて…笑 無神経で気に障ることとか言っちゃったら、迷惑じゃん?ただでさえ忙しいのに、」
「つまり?」
遠回しに言い過ぎて、伝わらなかった。
いや、言いたいこと気づかれてる。
言わせようとさせないでよ。つらいんだよ。
「…………、なんでもない、帰るね」
また、逃げちゃった。
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作者名:やきぷりん | 作成日時:2021年9月22日 2時