【鬼滅の刃✕チェンソーマン】支配の天使 ２

第５７話 ページ29

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「…………無いですね」


無い、というか…


その瞬間の支配する感覚は気持ちいい


だから簡単に言うとこの支配し続ける環境を保つことがしたいことなんだろうけど


そんな目標みたいなものでもないし


明確にこれがしたい、というものがないから"無い"と言った


「勿体無いな。それ程の力を有しておいて」


無惨は私を見下ろす


「………では逆に、貴方の目的は何ですか？」


「私か？人間のお前に話すはずが無いだろう」


やっぱり簡単には話してくれないか


でも、私は知っている


「そうですか……１つだけ手の内を明かすと、私未来視ができるんですよ」


そう言うと無惨は溜息を１つついた


「それではお前は私の目的も、この先どのような決戦になるかも分かるということか」


「……そうですね。でも、私は貴方の口から直接聞きたい」


無惨は少し考え込む


「……どうせ知られるのなら仕方がない。教えてやろう」


無惨は私の方に向き直る


「私の目的は……


日光を克服して完全に不死身になることだ」


不死身になる、か。


人智を越えた望み


身の程を越えた大きな望み


……望んではならない望み


まさに野望だ。


「不死身……」


望んではならないが、誰だって死は怖い


死は恐怖だ


この世界に新たに目を覚ましたとき、死ぬ運命だった人を"生かす"ことを目的としてきた


でも、人間はいつか死ぬ


それだと、私が救った意味がない


救った後、野放しでは意味がない




「嗚呼、そうか……」




分かった


分かっちゃった


野放しでは直ぐに死ぬ


何故なら人間だから。


寿命があるから平和にはならない


無惨のように"ただ生きたい"という貪欲で今の鬼殺隊と鬼というような争いが生まれる


なら……


利用できる


無惨の目的を少し手伝えば、平和な世界が作れる


「鬼舞辻󠄀無惨、貴方のその望み……素敵ね


＿＿＿＿＿＿私が手伝ってあげましょうか？」


「ほう……鬼になる気になったということか」


「違います」


「どういうことだ」


「貴方の目的を聞いて、感化されたようです。……私、目的ができました。」


「なんだ、言ってみろ」








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「私はただ、より良い世界を作りたくなったのです」

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