蜘蛛が1匹 ページ2
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燃えるような夕日もすっかり隠れた頃のことだ
那田蜘蛛山の麓の草の陰から子供の啜り泣く声が聞こえてきた
「………誰?」
どこから出てきたのだろうか、白色の綺麗な着物を着た少年が声を掛けた
櫛でといたことがあるのかというほどボサボサな髪
擦り切れてボロボロな着物と汚れた顔
とても人には見えない''それ''の小さな手には大きな水汲み桶が握り締められていた
髪の隙間から覗く大きな目は少年をじっと捉えていた
「喋れないの?ねぇ君、聞いてる?」
見つめたままでピクリともしない''それ''に少しの苛つきを見せた少年が言う
「ごめんなさい……お母さまの言いつけでお水を汲んでこなくちゃいけないのに……迷子になって……」
泣きながら''それ''が口にした、お母さまという言葉に少年は反応した
「……母さま?君には家族がいるの?」
「……わからないの」
「どういうこと?」
少年が尋ねたことをきっかけに、''それ''はぽろぽろと大粒の涙を溢しながら呟いた
物心ついたころには両親共に生きていなかったこと
親戚と名乗る夫婦と2人の子供のいる家庭に引き取られたということ
仕事があるときだけ声を掛けられ、それ以外はいないものとして扱われている日常
いつも幸せそうな2人の姉との格差
愚痴を言う相手もいなかったのだろう
泣きながら見知らぬ少年に溢していた
自分よりも一回りほど小さな''それ''の言葉を黙って聞き、少年は何を思ったのか
「君さ、そんなに辛いなら僕の家族にならない?」
と尋ねた
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向日葵蜜柑 - 此れが家族の絆ってやつなんですね、感動物語です!!!!!! (2023年3月16日 16時) (レス) id: 02a4ca8853 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵蜜柑 - ッッッ 涙がッッッ!!!!! もう本当にいい話!!!!ガチめに泣きました!!!(((((好きです← (2023年3月16日 16時) (レス) @page30 id: 02a4ca8853 (このIDを非表示/違反報告)
みゃぁ。 - すごい好きです。この作品。なんでもっと早くに出会えなかったんだろう…。すごく感動して泣いてしまいました。 (2022年12月15日 23時) (レス) @page30 id: 253b777aaf (このIDを非表示/違反報告)
レベ - 感動しすぎて家族に心配されました。累の夢小説いっぱい見たが、こんなに泣く話は初めて。 (2022年11月29日 17時) (レス) @page30 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - こ………んに…ちは。泣いてます。はい。る〜い〜!! (2022年3月25日 21時) (レス) @page30 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まひな | 作成日時:2020年3月25日 23時