110.太陽みたいな人 ページ10
・
「……もう、ずっと前から特別だと思うよ。
Aくんはそのとき欲しい言葉をくれるような人だと、きっと司くんたちも思っている。まるでAくんは太陽だよ」
『太陽……？』
私が、太陽みたいな人だと、類くんは言うのだろうか。
そんなことはないだろう、だって私は、きっとまだ過去に囚われたままの人だから。
太陽みたいに誰かを照らすことはできないし、底抜けに明るい訳でもない。どこが太陽なのか、理解ができなかった。
「……何故、という顔をしているね。
Aくんは誰かに寄り添うことができるし、もうワンダーランズ×ショウタイムには必要不可欠な存在だ。それに、諦めずに今まで頑張ってきた姿とか、太陽みたいだと僕は思う」
本当だろうか、でも、類くんが言うのだから本当なのかもしれない。
だとしたら、だれかの太陽になれてるのなら、私はとても嬉しいし、いつまでもそのままでありたいと思う。
『そうなんだ。……太陽、太陽かあ。嬉しいなあ。
でも、私が太陽なら、類くんは月なのかも』
「……月？それはなぜ？」
『だって私は陰で類くんに支えられているし、類くんのお陰で笑顔になってるし、こんな人間になったから。
だから私も、類くんのことを特別だって思ってる！』
「……そうだったんだね。それは意外だな。
月、ね。フフ、僕も嬉しいな」
月。太陽が照らしてくれる存在。ただ私が類くんを照らしていると思っている訳ではなく、そんな親密な関係に憧れを抱いているのかもしれない。
そもそも、どちらかといえば類くんが私を見つけて、照らしてくれたのだから。
『……あ、はは。あれ、なんだか涙がまた出てきちゃったぁ』
「……っ！すまない……その、僕がなにか悪いことを言ったのかな？」
『ち、違くて！…………ただ、本当になぜか涙が出てきちゃっただけ』
だからそんなに、悲しい顔をしないで欲しいのに。
私は君を照らしたいんだ。笑っていて欲しい。大切な人なのだからそりゃあそうだ。
なのに、なんで類くんは、自分のように悲しそうなの？
・
続く
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みっつ(プロフ) - きなこんこんさん» コメントありがとうございます…！主人公ちゃんに感情移入出来るような小説を作れていれば良かったなと思います！更新頑張りますね！ (2022年3月27日 22時) (
レス) id: e5fcf6a915 (このIDを非表示/違反報告)
きなこんこん - 好きです！主人公ちゃんには本当に頑張ってほしい…！更新頑張ってください！応援してます！！ (2022年3月27日 21時) (レス) @page1 id: 5c71fdc042 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっつ | 作成日時：2022年3月26日 11時
