4.勝ちたい。 ページ6
せーのっ
ぱち
いっせーのーせっ
ぱち
放課後練習を始めて3週間。
せーのっ
ぱち
2組は、絶不調を迎えた。
「あーあ。又引っかかちゃった。」
「つまんなっ。」
今日の参加者、15人。
人数もかなり減っていた。
そして、体育の合同練習で他のクラスは成長を遂げている中、2組の記録は伸び悩んでいた。
「てか、始めが良すぎたんだって。そう簡単に上手くいくか。練習あるのみ。」
縄を回す、たくましい女の子-通称くまさん-が声をかける。
「でも、今日は流石にみんな気合い入ってないし、解散するか!!」
体育祭実行委員の男の子が声をあげた。
「よっしゃー。うちでゲームしようぜ」
「お、それいーな!!」
「やっと部活行けるよー。」
「それな。はやくいこー！」
各自、わらわらと散る。
.
それからも2組の記録は全然伸びず。
さらに1週間後の学校全体の合同練習がやってくる。
どのクラスよりも飛べていたAのクラスは
どのクラスよりも下手だった。
.
帰りのホームルーム。
教室の空気は、最悪だ。
あからさまなる、ズドーンといった重い空気。
担任は、教室に入って、ふっと笑った。
「なんで、笑うんですか先生。KYですよ。」
「いや、ごめんごめん。はっはっ、お前らがあまりにも可愛くて。
ふはははっ、素直だな。」
「はぁ？うるせぇよ。」
やんちゃ坊主が反抗する。
「いやいや、すまん。悪い意味で言ってるわけでは無いんだ。
お前ら。放課後練習ちゃんとやってっか?」
シーーーン
「ああいうのはな、全員が参加して初めて練習になる。
だから、中途半端な人数になるんだったら、やめろ。」
「(はぁ？)」
今、バラバラになりかけている皆の気持ちが一つになった。
「三年の結果聞いたか?
最下位でも、3分間に58回。」
「(ああ、もう無理だ。)」
「あ、今、もう無理だとか思っただろ。」
「(何故、分かった)」
「全員の目がそう言ってるからな。
あの3年だって、始めては1回行くか行かなかったんだぞ。
それと比べたら、お前ら、大したもんじゃないか。
だからこそ、最下位が悔しいんだよな？
でも。3年との差は、努力と絆だ。
つまり、お前らなら、越えられる」
先生の言葉は生徒に何かを感じさせるものがある。
それは、このクラスの担任だからなのか。
それとも、村下先生だからなのか。
「2組、全員で、天下をとれ!!!」
皆の気持ちは一つになった。
"勝ちたい"と。
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ぱんだ(プロフ) - ハルマさん» 初めまして！ありがとうございます。嬉しすぎて、私もハルマさんの感想に感動しましたT^Tご期待に応えられるよう頑張ります！ (2015年9月5日 13時) (
レス) id: 0512463157 (このIDを非表示/違反報告)
ハルマ(プロフ) - 初めまして！作品、拝読させて頂きました。情景が素直に浮かび上がる、良い文体をお書きになられるのですね！感動しました…。続きがとても楽しみです。更新、陰ながら応援させて下さい。 (2015年9月4日 22時) (携帯から) (レス) id: a0aeec8db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱんだ | 作成日時：2015年9月3日 22時
