60 ページ10
ジョンインside
流れる音楽に合わせてリズム良くステップを踏む。
大きな鏡に写る先輩のダンスを、必死に真似しながら踊る。
『１．２．３．４．..... 』
息がくるしい。ステップが追い付かない。体が重い。
でも、それ以上に楽しい。
やっぱすげぇや、先輩の踊り
踊ってると、部屋の蒸し暑さも、汗で肌に密着するTシャツもまったく気にならない。
『1時間休憩ー！今のうちに昼飯食っとけよ〜！』
夏休みの練習はなかなかの鬼メニューだった。
この夏休みで心が折れた奴は多いんじゃないだろうか。
｢ジョンイナ〜〜購買行こう〜〜｣
｢おー｣
肩で息をしながら、汗をタオルでふくセフン。
最近また背が伸びた気がする。
｢は〜〜〜〜しんどっ！！！ムチャだよあんな振り付け！！先輩鬼なの！？？！？｣
スタジオから出ると、嘆くようにセフンの口から漏れる文句。
まぁ確かに、あの振り付けは俺も無理じゃないかって思うほど厳しい。
右を向きながら左を向けと言われてるようだ。
｢先輩みたいに上手くはいかないよなぁ｣
｢だからあの先輩は特別なんだよ、非人間！！｣
｢はははっ、｣
いつものように自販機に向かうと、少し小柄な男子生徒の後ろ姿。
｢(あ……)｣
あっちも俺に気付いたみたいで、大きな目を細めて、ぎこちない笑顔を向ける。
｢ジョンインくん、部活？｣
｢あ、はい｣
｢そっか、…えと、それじゃあ、練習頑張ってね｣
軽く一礼すると、またぎこちない笑顔をして去っていった。
｢ねぇ！今のってあの人だよね！？
Aの好きな人！！｣
｢あ〜、うん。そうそう｣
なんか、苦手なんだよな。あの人。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きゃっち | 作成日時：2016年2月28日 16時
