cherry 2nd (ページ45)

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それから私を乗せて自転車が動き出すと、冷たい風が足や顔を容赦なく突き刺す。
そのせいか、ジョンインの背中がすごく温かく感じてお腹に回した手にぎゅっと力を込める。

ジョンインの温かい背中と、ゆっくり蛇行して走る自転車のせいでふわふわしてくる私の頭の中。
落っこちないようにまた手に力を入れると、ジョンインの鼻歌が冷たい風にのせて聞こえてくる。

少しハスキーな声がいい感じに子守唄になって、その心地よさに負けてジョンインの背中に顔をくっつけて瞼を閉じた。

｢A？｣

｢ん～？｣

｢もう着くから、寝ないで｣

｢んん～……｣

キキッと短い音を立てて自転車が停止した。

もう着いたのかな？でもすごい眠たい…
瞼が重くて、そのままジョンインの背中にくっついてるとジョンインがもぞもぞ動き出す。

次に耳元で何かカチッと音がして、髪に違和感のある重みを感じる。

思わず目を開いた。

｢あ、おきた？｣

｢ん？ジョンインいま何したの？｣

｢見てみな？｣

言われるまま手を耳の上に持っていくと、髪に何かくっついてる物体。

｢ん？なにこれ、なんかくっついて……｣

手に取って見てみると、真っ赤なリボンのついたバレッタ。

｢わっ、かわいい～！どうしたのこれ？｣

｢今日のお礼と、クリスマスプレゼント。｣

そう言って顔をマフラーに埋めてしまったジョンイン。
マフラーからちょこっと覗く真っ赤な耳は、寒いからなのか照れてるからなのか分からない。

｢ジョンイナが選んだの？すっごい可愛い！これ貰っていいの！？｣

｢さっき雑貨屋で買ってきたやつだから安物だけど……｣

｢…あ、もしかしてこれ買ってたから帰り遅かったの？｣

うん、と恥ずかしそうにジョンインが言う。

もう一度バレッタに視線を戻すと、赤いリボンの端にはビジューついててがきらきら光ってる。

…すごい私の好みのデザイン。

こんな女の子っぽいのを学校帰りにジョンインが選んでた所を想像すると、面白くて吹き出しそうになる。