cherry 2nd (ページ42)

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ジョンインside

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『おつかれ～』

『コンビニでチキン食って帰る？』

『いやそれは勘弁、虚しすぎる！』

『じゃあまた来週な～』

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仲間とわかれて駐輪場に行くと、俺たちが最後だったらしくガランとしていた。

空を見上げると、白い息が星空に広まる。

田舎だからか、星がよく見える。腹立つくらい綺麗だ。

｢さっみ～…｣

寒さでハンドルを握る手がかじかむ。

いい加減手袋買わないとな、

自転車を走らせて町に入ると、辺りはすっかりクリスマスムード。

赤、白、緑やらのイルミネーションで、まるで町に星空が落ちてきたようにきらきらしてる。

ああ、そういえば母さんに早く帰ってこいって言われてたっけ。

母さんはイベント好きだから、きっとケーキでも作って待ってるだろう。

Aは来るかな。

今日最後冷たくしちゃった、怒ったかな？

帰ったら謝らないと。お菓子でも買ってあげたら許してくれるかな？

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自転車を降りて店の前まで押してくと、今朝はなかったはずのクリスマスツリーが電飾を巻き付けてピカピカと光っていた。

｢あ！ジョンインおかえり！遅かったね～！｣

急に呼ばれて振り返ると、鼻を真っ赤にして大きなマフラーに顔を埋めたAが立っている。

｢なにしてるの、鼻真っ赤じゃん｣

｢おばさんのおつかいだよ～
ほら！シャンメリーと、チキン｣

｢Aが買いにいったの？｣

｢うん、だってジョンイン好きでしょ？チキン！
ほら、早く入ろ！｣

もこもこの手袋をしたAの手が、冷えきった俺の手を引っ張って、｢はやくはやく！｣と楽しそうに笑った。