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｢あ…れ……？｣
鈍い痛みを感じて目を開くと、真っ白い天井。
腕に付いている点滴から、きっと私は今病院にいるんだろう。
｢A…｣
｢えっ、ギョンス先輩…？｣
眉間にシワを寄せたギョンス先輩が
病院の白いベッドの隣にある小さな椅子に、ゆっくりと腰かけた。
｢先輩っ、なんで……｣
｢いいから｣
起き上がろうとすると、肩を押されてベッドに戻される。
先輩の顔があまりに悲しそうで、何故か言うことを聞くしかなかった。
｢どうして言ってくれなかったの？その…
病気のこと……｣
一層悲しい顔をする先輩。
｢内緒にしてたつもりではなかったんですけど……なんか言いづらくて…｣
｢…腕、アザになっちゃったね…｣
ゆっくりと私の腕に触れる先輩。
確かに青いアザができている。
｢私、どうしたんですか？…全然覚えてなくて…
倒れたんですか？｣
｢階段から転げ落ちたんだよ｣
｢え！？…じゃあ先輩がここまで…｣
何も言わずフワッと笑う先輩。
でもその表情はやっぱり悲しそうだった。
｢ジョンインくんだよ。｣
｢…あ、ミンソクくん…｣
注射器やら液体の薬品やらを乗せたカートを押しながら部屋に入ってきたミンソクくん。
｢点滴かえますね〜｣なんてそれらしいこといいながら私の隣に立つ。
｢ジョンインが？｣
｢そう。階段から落ちそうになったAちゃんを、ジョンインくんが助けてくれたんだよ。
ジョンインくんも軽いケガしちゃったから、ちゃんと謝っときなね。｣
慣れた手付きで点滴をかえおわったミンソクくんが「それより」って
ギョンス先輩のいる反対側にまわって、私と同じ視線になるよう膝を曲げた。
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作者名：きゃっち | 作成日時：2016年2月28日 16時
