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ジョンインside
毎朝Aは俺と同じ時間に登校したし、土日も当たり前のようにうちに来てゴロゴロしてた。
昼は皆で食べて、放課後はコンビニに寄り道してあんまん食べて、俺たちは以前のように過ごした。
何てことないように過ごした。
.
｢あ、猫。｣
いつも通りの昼休み。
チョアの一言で、四人並んで窓の外を覗いた。
中庭で二匹の猫が何かを取り合ってる。
綱引きのように引いて引かれて、いい勝負。
｢あはは、かわいー｣
｢俺黒猫の応援する〜がんばれ〜！｣
｢じゃあ私三毛猫のほう〜｣
セフンとAが変な勝負を始める。
隣でAが｢三毛猫ちゃん押せ押せ〜｣なんて白熱してる。
俺はなんとなく押されてる黒猫を応援しようと思った。
別に勝っても負けても何もないけど、なんとなく、黒猫がんばれ。
｢あ、黒猫押してる｣
｢いけー！お前なら出来る！｣
実況してるチョアと、盛り上がってるセフン。
がんばれ、あとちょっと。がんばれっ！
あとちょっとで、黒猫が三毛猫に勝てそうだった。
あとちょっとだったのに、突然俺の隣が広くなる。
.
｢オッパ！｣
そう言って俺たちから、俺の隣から離れてくAのうしろ姿。
あれ。そういえば、２年生って昨日帰ってきたんだっけ。
.
｢あ〜あ、取られちゃった。｣
セフンの声で中庭に視線を戻すと、さっきまで綱引きをしていた三毛猫はもう居なくて
かわりに、黒猫がぽつんとそこにいた。
｢三毛猫の勝利〜〜｣
やる気のないチョアの実況で、訳のわからない勝負は幕を閉じた。
.
『だってジョンイン、ギョンス先輩にA取られて拗ねてたじゃん』
.
黒猫は、負けた。
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作者名：きゃっち | 作成日時：2016年2月28日 16時
