cherry 2nd (ページ25)

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あ～あ、つまんない。

もう誰もいない教室で地道にプリントをホッチキスでまとめていく。

パチン、パチンという音がやけに教室に響く。

今日日直だった私は、放課後職員室に日誌を届けに行って、そのまま真っ直ぐ帰宅するつもりだった。

けど、なんとも運のない私は、｢ちょうどよかった！｣と先生にプリントをまとめる雑用を押し付けられる始末。

貯めてた録画見ようと思ってたのに…全然ちょうどよくない！！！

もう一人の日直のバスケ部ホンくんは、明日が試合らしく、引き留めるわけにはいかず……

はぁ、何が悲しくてひとりぼっちでこんな雑用をしなきゃいけないのか……

.

『最終下校時刻になりました。残ってる生徒は教室の戸締まりを確認し、下校してください。繰り返します………』

静まり返った教室に響く、下校のアナウンス。

あ～あ、結局こんな時間。

まとめ終わったプリントを抱えて、あとは職員室に届けるだけ。

廊下に出ると、ひゅうっと風が抜けて肩がぶるっと震えた。

うー、さむいさむい。

.

｢失礼しました～さようなら～｣

職員室を出て下駄箱に向かうと、さっきよりひんやりと感じた。

窓からみえる外はもう暗くて、｢日が落ちるの早くなったな～｣なんて、
外履きに履き替えながらボケーッと考えた。

そういえば、こんなに遅く変えるのいつぶりだろう。
夏前はよくこの時間に帰ってたっけ。

今日はチョアもオッパも用事がある、って先に帰ってしまった。

最近はほとんどオッパと一緒に帰ってたから、久し振りの一人の帰り道が億劫だ。

｢うわ、さむ！｣

外に出ると、びゅうっと冷たい風が頬を刺す。
そういえば今朝のニュースで、今年初の寒波がどうとか言ってたっけ。

セーター持ってくればよかったな。

｢A？｣

なんとなく憂鬱になりながら、歩こうと足を踏み出すと
後ろから呼ばれる声がした。

｢あ、ジョンイン｣

寒そうにポケットに手を突っ込んで、駆け足で来るジョンイン。

そっか、今日ダンス部ある日だったっけ。