cherry 2nd (ページ22)

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ジョンインside

別に、なんとなくそんな気はしてた。    

ギョンスとかいう先輩の目を見ればわかる、アイツが好きだって。      
アイツも分かりやすいくらいだ。    

最近見た目に気を使ってたのも、ずっとケータイを見てるのも、ぜんぶぜんぶ先輩のためだって。     

あー、そろそろくっつくなぁ。なんて、想像してた。    
めでたく二人は付き合って、アイツは幸せそうで、楽しそうで。    
いいんじゃないか？それで。      

月が変わってついこの間、ひさびさに部活が休みなのにいつも通り店番をしてた。     
俺の指定席に座ってボーッと店をみる。  人はいない。     
暇すぎてケータイを開くも、びっくりするくらい何もない。 誰からの連絡ひとつない。

      俺だけかよ、暇なの。     

ケータイをポケットにしまって、窓の外をみる。
    通りの向かいにある薬屋。
 馴染みのあるその店は、最近改装したらしい。   
いっちょまえに、ちょっとお洒落になってる。

   じーっとそこを見てると、小洒落た自動ドアが開いて人がでてくる。     

ふと、昔を思い出した。     

ひとりの女の子がその薬屋からそのままうちの方に来て店の扉を開けるんだ。  扉からひょっこり顔を覗かせて、       

『ジョンイン、きたよ！』        

いつものように、笑って入ってくる。        

.

｢いらっしゃい、A     ……ギョンス先輩。｣       

もう、ひとりでじゃないけど。