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あんなに騒がしかったセミの鳴き声も、今では珍しくなってきた。
熱帯夜も過ぎ、最近の夜風は涼しくて気持ちいい。
そんな夏休み、最終日。
私の隣では血相を変えてノートと向き合うセフン。
そんなセフンを呆れて見てるジョンイン。
高校生には大きくわけて二つの種類があると思う。
ひとつは、ちゃんと予定を立ててコツコツと夏休みの宿題を終わらせるタイプ。
それもちゃんと期限内に、だ。
例えば、ジョンインはこのタイプ。
もうひとつは、宿題を溜めに溜め込んで最終日になってやっと危機感を感じるタイプ。
結果、友達に答えを写させてもらうのがオチ。
隣にいるセフンがいい例。
因みに私はというと……
｢黙って見てないでAも早く写せって｣
｢う、すいません｣
もちろん後者。
やろうやろうって思っても後でいいやー、って結局後回し。
いつの間にかそれが積もって、最終日になって毎年後悔する。
どうしてちゃんと毎日やらなかったんだろう、って。
｢ちょっとこれ多すぎない！？おわんねーってまじで！｣
朝からノートとにらめっこ状態のセフンと私。セフンはもう爆発寸前だ。
｢ねぇこれ今日終わらせなきゃだめ…？
明日提出だっけ…？？｣
｢いや…もしかしたら今日提出じゃありませんでしたー、ってオチかも…｣
｢可能性ある…｣
｢ねーよ。いいから早くおわらせろって…ただ書くだけなのにどんだけ時間かかってんだよ？｣
厳しい突っ込みキムジョンイン。
見事に現実逃避から私たちを引っ張り出した。
もうやだやめる〜とシャーペンを机にほっ放り出すセフンにスリッパを投げつけるジョンイン。
前髪を縛り上げてできたスペースに見事にヒット。
白い肌がみるみる赤くなっていく。
うわ、痛そう…私も気を付けようっと。
｢っていうかチョアは？あいつ宿題大丈夫なの？
なんか全部やってなさそうなイメージなんだけど…｣
｢なにいってんの、チョアなんかとっくのとうに終わってるよ｣
｢え！？｣
聞いてきた本人よりも驚いてるセフン。
チョアだもん、驚くのは無理ないよね。
｢チョアはちゃんと宿題やるタイプだよ、真面目だもん｣
｢まぁ確かに真面目そう…｣と納得のジョンイン。
隣では｢絶対俺よりバカだと思ってたのに…｣と真っ白なノートに向かってブツブツ言ってる人がいる。
私とセフンの夏休みは、まだ終わりそうにない。
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作者名：きゃっち | 作成日時：2016年2月28日 16時
