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半ば無理矢理連れてこられた場所は、まさかの裏庭。
私の手を離したジョンインはよいしょ、と芝生の上にあぐらをかいた。
｢はい。｣
｢え？｣
自分の膝をポンポンと叩くジョンイン。
｢な、何してんの？｣
｢何って、膝枕？｣
｢は？｣
…何を言ってるんだろう、この男は。
膝枕？
今？
しかも私が寝るの？
｢いやいや！意味わかんないし！｣
ただでさえ頭が痛いのに、なんでこんな意味不明なことを言い出すのか。
｢あ〜、いいから。ほら！｣
｢ちょっ、｣
無理矢理私を隣に座らせて、そのままジョンインの方に私の上半身を倒した。
あ〜あ、せっかく髪の毛綺麗に巻けたのにぐちゃぐちゃになっちゃう。
やっぱり意味が分からなくてまた起き上がろうとすると、ひんやり冷たい何かがおでこに置かれる。
｢タ、タオル？｣
おでこに置かれた何かは、水で濡らしたタオルだった。
｢やっぱ調子悪いんじゃん……
市販の頭痛薬飲めないんでしょ。
とりあえずそれ当てときなよ、楽にはなると思う。｣
頭が痛いなんて誰にも言ってなかったのに…、
｢…放課後デートなんだろ、ちょっと寝なよ。
そんな寝不足でブサイクな顔、好きな人に見せる気？｣
むかつく。けど、きっとジョンインなりの照れ隠し。
｢うるさい、ばか。｣
日陰でそよそよと吹く風が気持ちよくて、瞼がだんだん落ちていく。
う〜ん、ジョンインに甘えてこのまま寝ちゃおうかな…。
夢の中に入るか入らないかの状態でいると、ジョンインがゆっくりと私の頭を撫でたのが分かった。
｢…無理すんなよ。病院でも言われてんだろ？
頼むから、心配かけないで…｣
過保護だなぁ、ジョンインは。
｢大丈夫だよ、ありがとう｣
まどろみの中、ゆっくりと瞼を開けジョンインの顔を見ると懐かしい、昔みたいなクシャッとした笑顔をしていた。
久しぶりに見たな、この笑顔。
そうして私の瞼は、完全に閉じた。
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作者名：きゃっち | 作成日時：2016年2月28日 16時
