13. 主、われを愛す。 ページ13
『集合は、あそこのカフェにね』
その時間も明確には定めず、
好きなように見て回ろうと提案したのは、
他でもない、櫻井さん。
それはきっと、
大野さんがこんな風に絵を見ることを、知っていたからでそれから、
『......これ、行ったときには修復中でね。
あっちに飾ってあるのは見られなかったんだよね』
本来この絵が飾られている場所で見ることが叶わなかったこと、
知ってるからで。
それからも何度か訪れたけれど、
その度に修復していたり非公開になっていたりで、
とうとう見ることが叶わないままだったと昨日、
残念そうに眉毛を下げて教えてくれた、櫻井さん。
だから本当に楽しみにしていると思うと笑った櫻井さんの言葉通り、
ここに来るまでもここに来てからも、
わくわくとウキウキを前面に押し出し、ずっとにこにこしていた大野さんは、
これまた『ずっとその絵の前から動かないかも』という櫻井さんの予想通り、
念願だったであろうその絵を見上げたまま、
ずっとずっと、“そこ”にいる。
見上げる瞳は真っ直ぐに輝き、
柔らかく揺れる栗色の髪の毛は光を透かして揺蕩い、
優しい弧を描いた唇は、上向きに形作られていて。
平日の昼間、ということも手伝って、
俺たち以外はほぼ、お客さんのいないここは。
高く取ってある天井から冬の煌めく光が差し、
まるで空間ごと現地から、運んできたよう。
静かに降り注ぐ透明な光に満たされたそんな部屋で、
そうやって、一心に絵を見つめてる大野さんの姿は、
『大野さんごと見ていられる』を体現しているかのように、
厳かで、清らかでそして、
恐ろしいほどに、美しい。
それはもう言葉にするのが難しいほどで、
それは、触れることすら躊躇われるほどで、それは、
.....それはその絵に描かれた、彼らにそっくりで、
......ねぇ。大野さん。
大野さん。
きっと俺ね、
守りたかったんだと思うんだ。
美しいモノが大好きなウツクシイものたちが、
あなたを見つけてしまわないように。
あなたにそっくりの、
その絵に描かれた彼らがあなたを、
見つけてしまわないように。
ねぇ、大野さん。
俺はあの時あなたを。
「.......、にの」
守りたかったんだと、思うんだ。
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やよい(プロフ) - 智くんの背中に回された翔くんの手、翔くんの声(私は翔くんの低音ボイスが大好きです)、翔くんほど、智くんのパートナーに相応しい人はいないんじゃないかと思っています。また、お話を楽しみにしていますね。 (2021年9月1日 0時) (
レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手は智くんより大きくて、男らしくて、頼りがいがあって、私見ですが、温かくて、優しくて、智くんを守っている感じがします。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手と智くんの手が合わさっている画像、ネットで拾って、何枚も集めています。また、翔くんによる智くんへのエスコートの動画も集めています＝ほぼ変態の域かもしれません(^◇^;)。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - そう言う願いから、そう言う夢から、色々なものが研究され、発達して来たんですね。 翔くんの言葉、素敵です。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 鼓膜が破壊されてしまっていても、いつか、再生医療が発達して、智くんの耳が微かでも音を拾えるようになれば良いのに。翔くんの声だけでも。そう祈ってます。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年10月17日 0時
