25. 【2】 ページ39
そんなわけで。
俺は常夏の楽園にいてもなお
“どことでもおんなじ”な景色の中に、ずっといて。
そんなわけだから
智くんともほぼ、顔を合わせなくて。
朝ハワイの支社へ出社しての、
簡単な打ち合わせやブリーフィングのときに必然的に会ってはいたけれど、
それでもなんていうか、「仕事」的な、会話のみ。
「緊張」と「不安」を絵に描いたような俺の有り様に、
心配そうに眉毛を下げてくれていた智くんだけど、
智くんは、ひとのやることなすことに基本、口を出したりしない。
そりゃあ、腹が立つことも、理不尽に思うこともあるかもしれない。
もっとこうすればいいのにって、言いたくなることも、あるかも知れない。
例えば今の......俺、みたいに。
でも智くんはそんなときに、
「自分はどう動けるか」を、考えるひとなんだと思う。
相手を変えようとするのではなくて、
変わってもらおうとするのではなくて、
そのひとをそのひとと受け入れたうえで、
「自分が」どう動いたらいいのかを、考えられる、ひとなんだと思う。
『アドバイスとか苦手なんだよ...』
なんて、言ってるけれど。
俺はそんなあなたにたくさんたくさん、助けられてきた。
進路に悩んだときも
訓練がうまくいかなかったときも
思うように飛行機を飛ばせなかったときも
......今、も。
煮詰まったときにやってくる、コーヒーとチーズケーキのセット。
夜も更けた時間になると、それにミルクがたっぷり、入っていたり。
頼んでもないのにやってくる、俺が好んで読んでる新聞。
朝ごはんを食べるレストランでリザーブされてる、広く海が見渡せる、景色のいい場所。
青い空に会いたくて、出かけた屋上ラウンジに残る、あなたの優しく、甘い残り香。
そうやって俺は。
あなたの優しさにいつも
守られてきた。
あなたの想いにいつも
いつもいつも、護られて、きた。
追いかけて、追いかけてでも、
追いつかない、存在。
憧れて、憧れて憧れて、でも、
果てしなく遠い、その存在。
だけどそれさえ、嬉しくて。
そんなあなたが、誇らしくて。
だから。
だから。
あなたがくれたチャンスを。
あなたがくれた、あなたの想いに近付けるチャンスを。
どうしてもどうしても。
どうしてもどうしても。
逃すわけには、いかないんだ。
26. 【3】→←24. The Story of episode ０ 『第3話 : BRAVE』【1】
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みーこ(プロフ) - ふ、ふわふわ智に……かこーんがある！に、はあああああああ？な翔ちゃん……（笑）……猫ちゃんの飼い主探しのポスター……欲しい。 大事にちびちび読みたいです。おかえりなさいま (2020年11月14日 22時) (
レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
沙菜(プロフ) - mioさん！更新ありがとうございます。コメント久しぶりでごめんなさい。やっぱりお空のお話の智くんとしょーくんはいいですね♪この二人の関係性、信頼感がたまらなく好きです。ちょっとしょーくんが切なくなっちゃってるけど、智くんの言葉を楽しみに待っています。 (2020年3月4日 22時) (レス) id: 81edae0004 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - mioさん、お帰りなさい。そして、ありがとうございます (2020年2月29日 23時) (レス) id: edc532eac7 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - みおちゃん、おかえり？いや、ありがとう！待ってたよ待ってたよ(#^.^#) (2020年2月29日 16時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 日生さん» 続→夢と希望と優しさを胸に、頑張って行きましょう！！……と、私もお返事しながら決意しております。こうして支えて頂けているから、また書いてみようかなと思えています。本当にありがとう。またいつでも、遊びに来てくださいね。本当に本当に、ありがとう。 (2020年2月29日 12時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2018年4月15日 9時
