２. 真っ赤なハートにリボンをかけて。 ページ2
「さぶちゃん」
「ん？？」
「えっとね、あした、なに食べたい？」
忙しなく年が明けてから、はや一ヶ月。
暦の上では春を迎えた二月の中旬。
鬼たちが姿を消したスーパーの売り場が、真っ赤なハートで埋め尽くされている頃。
「えっとー、えっとね？
.....あっ！親子丼っ！親子丼たべた....ふぐおうっっ！！」
「オーットスミマセーン」
兄弟全員が揃った食卓。
毎週水曜日は、五郎が夕飯を担当。
凝り性で研究肌の五郎が作る料理はいつも絶品で、
お店の味に負けてないと言っても過言ではないほど。
そんな料理の数々をうまいうまいと言いながらもりもり食べる幸せな時間に、
三郎がわき腹を押さえて唸っている理由は、ただ一つ。
「「「「........」」」」
「だいじょうぶ？ちょっとしろ、なんてことするの！！」
とワタワタしている一郎の隙間を縫うように、三郎に注がれる3つの鋭い視線。
そのワケに気付い......
「あーーー！！カレー―ーーー！！」
......たのは、四郎が再び三郎のわき腹に肘鉄をお見舞いしようとした、5秒前。
「え？？カレー？？」
「うん！！カレー！！」
その答えに満足するように、
よしよしと頷いて再びもぐもぐと食べ始める二郎以下二名。
「.....さぶちゃんもなんだ....」
「ん？なにが？」
「みんなカレーがいいって言うんだもん...」
パスタをくるくるしていた手を止め、
ほんの少し残念そうにしゅん、とする一郎。
いつもなら、こんな一郎にずっきゅんと心臓を撃ち抜かれ、
アメリカンコメディーよろしくなばたばたを繰り広げ、いちくんかわいい！！と惜しげもなくハートを飛ばす二郎も、今日ばかりは、鳴りを潜め。
「一郎さんの作るものはなんでもおいしいですよ」
「でも、カレーだよ？？ルー入れて、くるくるしたら終わりだよ？？」
「いちくんの愛という名のスパイスは俺たちだけのものさ！！」←鳴りを潜めたつもり
世の女子たちがざわめく甘ーいイベントは舞賀家にとっても、
それぞれの誕生日に次ぐ、一大イベント。
年に一度、愛を盛大に叫ぶことを許された日に、
いつもと違う一日を、プレゼントしたい一郎。
その想いを十分理解したうえで、
それ以上の愛を、一郎に贈りたい兄弟たち。
それぞれの想いが重なるバレンタインデーに。
なぜ“カレー”がリクエストされたのかというと......
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マナ - 作者さんに質問です。あなたは茨城県北茨城市磯原町の出身、または住んでいますか？ (2021年11月27日 20時) (
レス) @page1 id: 8df98fa480 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - こんにちは。その後が気になっています。また、お時間あるときに続きをお願いします。 (2021年7月17日 17時) (レス) id: d5f4de7f1a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - ううっっ！ いちくーん。以上心の叫びでした。きっとこの先に幸せな未来が来るんだよね？ね？ね？心静かに待ちます。 (2021年1月14日 15時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - そか、マイガールだから、舞賀家か〜....なるほどぉ. (2020年8月13日 18時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - あっちゃんさん» 続)「うちのいっちゃん」なあの写真を想像しながら書いてるよ。なかなか筆が進まないことも多いけど、読んでくれたら嬉しいです。本当にありがとう！！ (2020年8月7日 14時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年3月12日 0時
