17.誓い。 ページ17
「さとしくん」
ゆっくりと。
「さとしくん」
ゆっくり、と。
「さとしくん」
真っ直ぐ真っ直ぐ、
自分を見つめ返す清らかな瞳を、見つめたままで。
優しい優しい声で。
それはそれは愛おしいのだと言わんばかりの、甘く響く、声で。
櫻井さんが、
繰り返し繰り返し紡ぎ出す言葉は、
大野さんの、名前。
きっと。
それは大野さんの名前のカタチをした、櫻井さんの、想い。
「いってきます。」
揺るがない、想い。
そして。
『……いってらっしゃい』
そう微笑んだ大野さんの、澄んだ瞳に、映るのも。
『…また……ね？』
大野さんの想い。
櫻井さんへの想い。
『また、あとで……ね？』
揺るぎない、想い。
それはまるで、
未来への誓いのようで。
空行きの切符を握った大野さんの手を、そっと、ぎゅっと握り締め、
優しい優しい声で贈った櫻井さんの、“いってきます”も。
大野さんの、“またあとでね”も。
同じ未来を、
同じときを、
ずっとずっと一緒に生きていくこと、
約束した、しるしのようで。
長い長い、時の中。
たくさんたくさん迷って、
たくさんたくさん、涙を流して、
たどり着いた、今。
たくさんのたくさんの優しさが、
たくさんのたくさんの愛が、
繋いだ、今。
抱き続けた想いが、
何があってもその手から、離さなかった願いが、
連れてきた、今。
それは、
二人で描いた、未来。
「よかったね」
「…うん」
二人が信じた、未来。
「ちゃんと、たどり着いたね」
「……うん」
果てない空に見守られながら見つめ合う二人の、その優しくも清々しい笑顔は、
俺たちの心にも確かな確信を、連れてくる。
「……ほんとに…よかったね…」
「………うん」
幸せな未来への確信を、連れてくる。
「俺はまだ諦めてないけどねー」
「……笑。だから(笑)。なにをよ？？笑」
「そりゃあ……いろいろと？？」
「……はいはい。笑」
二人、交わした約束はきっと。
誓いは、きっと。
きっと、絶対。
違えられることはない。
破られる、ことはない。
麗らかな春の光が告げるのは、
新しい未来の、始まり。
俺たちを包み込む、その輝く柔らかい光からは、
確かな希望の、匂いがした。
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とも(プロフ) - 初めまして。夢中で一気読みさせて頂きました。始めは興味本位で…段々読み進める度に涙が止まらなくて…そしてもぉ号泣で嗚咽。お話を読んでこんなに号泣したことなんてないですwとっても素晴らしい作品に出逢えて…感動です。ありがとうございました！ (2020年1月12日 23時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - あとがきに書いてあった通り、長々と引っ張ったんですね。納得しました。ずうっと、ワクワクしながら読んできたので、何かこの章だけ別物のような…続き楽しみに読みます。頑張ってくださいね (2018年4月10日 13時) (レス) id: cf7dd20e98 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - うーん。どうしたんだろう。 (2018年4月10日 13時) (レス) id: cf7dd20e98 (このIDを非表示/違反報告)
日生(プロフ) - 完結、おめでとうございます！言葉が溢れてまとまらないので、感想はまた。本当に大好きです。 (2017年11月20日 23時) (レス) id: 8d640b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
リカ(プロフ) - mioさま☆ シリーズ完結、おめでとうございます！ 続編のスタート、またあの5人に会えることがとてもとても嬉しいです！！ これからもお邪魔させていただきますね。 (2017年11月18日 0時) (レス) id: c3477e2eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2015年10月12日 0時
