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「ん…、たま、」
俺が腕の中からすり抜けたことを感じ取った宮田は、まだ夢の中にいながら俺を呼ぶ。
「みやた」
くるりと反転して宮田の方を向き、ブランケットからひょこっと顔を出す。
「としくん」
呼ばれた宮田はうっすらと目を開けて、ふにゃりと笑う。
「おはよ、たま」
カーテンから零れた光を髪の毛や睫毛の先に纏わせた宮田は、ちょっとびっくりするくらい綺麗だった。
「ふふふ、たま、すごく綺麗…天使みたい」
そう言って笑う宮田は俺の前髪を優しく流す。
お前もすごく綺麗だ、とは言えないけれど、同じことを考えていたのだと思うと、それだけで心がふわふわと温かい。
穏やかな休日の朝。幸せって、こういうことか。すとんと胸に落ちてきた。
「たま」
「なに?」
「幸せだね」
少し寝癖の付いた髪、笑って細められた目、穏やかな声、髪を梳く優しい手。全部、幸せの形。
「たま、なんで泣いてるの」
泣かせちゃったね、ごめんね、そう言って優しく笑う宮田は、俺の涙が悲しい涙ではないことを分かってくれていて、溢れる涙をそっと掬ってくれる。
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作者名:みいこ | 作成日時:2020年10月22日 12時