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私のお母さんが海斗を甘やかして溺愛するように、海斗のお母さんも私を愛でてくれている。
「お母さんによろしく伝えてね」
『わかりました』
"良い子ね〜！"なんて頭を撫でてくる海斗のお母さんは、私のことを犬だと思っているんだろうか……なんて。
「じゃあ、行ってくる」
『いってきます』
「はーい、いってらっしゃい」
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「そういや、昨日の夜何してた？」
ずっと行ってみたかったカフェに行ってご飯を食べて、ショッピングをしようとアウトレットを歩いていたら、急にこんな質問がきた。
『え？』
「既読、朝までつかなかったから」
怪しまれない方がおかしいよね、なんて思いながらなんとか苦し紛れの嘘をつく。
『あー、うん。ちょっとゼミの飲み会で』
「楽しかった？」
『うん』
「なら良かった」
一安心したのも束の間、海斗のポケットからスマホの通知音が聞こえて
「あ、海人からLINEきた」
『中村！？』
中村からのメッセージが来た。
急に、なんで？
海斗はマメに連絡とるタイプだけど、中村と宮近くんとは今はあまり連絡していないイメージというか。
近しい存在だからこそ、本当に用事がないと連絡をしないような距離感。
だから、中村からのLINEなんて昨日の今日で怖すぎる。
「なにそんなビックリしてんの？」
『え？あ、いや……珍しいから、なんて来たのかなって』
「今度4人で飲もうって、グループに来てるけど」
カバンからスマホを取り出すと、グループの通知で中村からのメッセージが確認できた。
でも、高校を卒業した後は基本的に海斗にお誘いのメッセージが来て、私は海斗から間接的に誘われることが多かったのに
こんなグループを動かすなんて珍しい。
『あ、本当だ』
「……」
でも、安心した。
私が安心して深く息を吐いたからか、海斗は不信そうに見つめてくる。
『なに？』
「いや、なんでもない」
……海斗、隠し事なんてしてごめんね。
中村が以前私に好意があったこと、海斗は高校生の頃に私より先に知っていた。
今は仲が良いけど、複雑だった時期もあったことも分かっているつもり。
そんなことを考えているうちに、高校生の頃の記憶が鮮明に蘇ってきた。
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作者名：愛生
| 作成日時：2023年12月4日 1時
