わたしの隣 (ページ13)

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初めてのランチページ13

『待って、なんて言えばいいの、ねえ隼くん』

「小森隼に用事ですって言って、俺も今降りてるから」

電話越しに朝ぶりの隼くんの声

「はあ！ごめん」

『ほんとだよ、今日わたしが仕事おやすみじゃなかったら隼くん忘れ物してクビだったね』

「まじで良かったー、ありがとう」

『いいえ』

「じゃあこのあと収録だから！」

『頑張って』

「あーい、じゃあね」

『ばいばい』

後ろ向いてエレベーターに駆け足の隼くんを見送る

「気をつけて！」

ドアが閉まるところでそう一言かけられて
隼くんはエレベーターに吸い込まれて行った

『隼くんこそ忘れ物気をつけてよ』

ちょっと皮肉っぽく呟いて
入口の警備員さんに頭をさげる

玲於「Aちゃん？」

『あれ、玲於くん』

芸能人仕様の玲於くんだけど
全然オーラ隠しきれてない

玲於「どしたの、隼？」

『うん、忘れ物届けてきて』

玲於「うわー、あいつ」

『ほんとにおっちょこちょいだよねー』

玲於「ガキだな」

『玲於くんこれからお仕事？』

玲於「いや、今昼飯食べに行ったけど忘れ物して戻ってきた笑」

『やだ、玲於くんも隼くんと一緒かあ～』

玲於「一緒にはすんなよ笑
てか、お昼食べたの？」

『まだだよこれから』

玲於「よかったら、一緒にどお？」

『え、でもわたし…』

玲於「大丈夫、あとで隼に払ってもらうから」

『じゃあ行く！』

玲於「りょーかい笑
忘れ物取ってくるから中で待ってて」

隼くんみたいにエレベーターに吸い込まれる玲於くんを見ながら
お昼ご飯なにかなーって予想してみた

『ハンバーグ？パスタもいいなあ、ラーメンも捨て難い、やっぱりハンバーグ？』

玲於「なに、ハンバーグ食べたいの？笑｣

『うわ、玲於くん』

玲於「早かったっしょ」

『すっごい早かった』

玲於「ハンバーグでいいの？」

『玲於くんが好きなのでいいよ』

玲於「俺もハンバーグ好きだからハンバーグね」

おいしいところ知ってるから
って得意げな玲於くんにつられて初めての玲於くんとのランチ