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放課後の学校。

正門が見えてくると外の部活の人達が外周をしていた。
校庭ではサッカー部が熱心にボールを追いかけている。

私は自分の手をぎゅっと握りしめ正門を潜った。


*************************



中庭。
すぐにわかってしまう。
花壇に腰かけてる男の人。


何を見てるのか何を考えてるのかはわからない。

これから何を言われるのかもわからない。



怖いけど・・・---


おずおずと万里先輩に近づく。
私の足音で気づいたのか先輩が私を見る。
目が合うけど気まずくて私はすぐに逸らしてしまった。

「・・・来てくんねーと思ってた・・・」

眉を少し下げてフッと笑う先輩。

『・・・・・・・。』

「ま、とりま座って?」

そう言うと万里先輩は自分の隣をトントンと叩く。
私は言われた通り先輩の隣に腰かけた。




どれくらいかわからないけどずっと沈黙が続いた。
聞こえるのは時々吹く風の音と校舎から聞こえてくる吹奏楽部の音色だけ。


「・・・・俺さ、誰かを好きになったことなかったんだよな」

ポツリと万里先輩がそう呟いた。


「今まで恋愛なんてしたことなくってよ
好きっつー言葉の意味も重さもまったく分かってなかった

だから今まで付き合ってきた女は飾りみてーなもんで
ゲームと同じだって思ってた」

私は横にいる万里先輩を見る。
先輩は前をみてどこか遠くを見ている。


「そんな時に何んとなくつるんでた奴らからAちゃんの話を聞いた。
・・・Aちゃんここいらで高嶺の花って呼ばれてんの、知ってる?」


そう言うと先輩は私を見て首を傾げてくる。


「どんな男からの告白も断ってる女がいるって知って
そん時まだ恋愛はゲームだと思ってた俺の心になんか火が付いたんだよな
・・・ぜってー俺が堕としてやろって

でも実際会ってみたら今まで俺が知ってた女と全然違ってさ
すげー純粋で素直で初めて・・・なんか・・・傍にいてぇなって思った」

自分の膝の上にあった私の手に大きくて温かい先輩の手が重なる。
その先輩の手は少し震えていた。


『・・・・・・っ』


「最初は・・・騙してたところがあるかもしれねーけど・・・でも・・・
今は違う
心の底からAちゃんの傍にいたいって思ってる」


私のことを真剣な眼差しで見つめてくる先輩。
何故かわからないけど心があったかくなって自然と涙が流れた。


「これ・・・Aちゃんなら・・・意味わかるっしょ?」


そう言った万里先輩から差し出されたのは・・・

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ゆら(プロフ) - いつも更新が待ち遠しいです! (2018年1月28日 9時) (レス) id: 453ab0f631 (このIDを非表示/違反報告)
もずく(プロフ) - ぺんたさん» ぺんた様コメントありがとうございます。応援の言葉とても糧になります(´;ω;`)これからも応援していただけたら嬉しいです! (2018年1月5日 21時) (レス) id: 47c792335d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんた(プロフ) - はじめまして。今すごくこの小説が好きで更新を楽しみにしてます!毎日1話から読んでしまうくらいすきです!笑 更新頑張ってください!!応援してます! (2018年1月4日 18時) (レス) id: 29bb092d95 (このIDを非表示/違反報告)
もずく(プロフ) - 、様 ご指摘ありがとうございます。そして対応が遅れてしまい申し訳ありませんでした。たった今更新致しました。今後気を付けて参ります。 (2018年1月3日 1時) (レス) id: 47c792335d (このIDを非表示/違反報告)
- 貴方はオリフラ外す気がないんですね。違反報告しますね運営がどう対処するかは知りませんが作品消されても自業自得ですだってルールも守れない作者の作品なんて消されても当然ですから (2018年1月3日 0時) (レス) id: 002236a509 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もずく | 作成日時:2018年1月2日 19時

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