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「覚えててくれたんだな。」



久しぶりに聞くその声は落ち着いていたが、
少し嬉しさを宿していた。







『うん、まぁさすがに忘れないかな。』


素直に覚えていると言えばいいのに、
そんな皮肉な言い方をする自分に嫌悪感を抱く。






「はは、…最近元気か?」


『うん、特に変わらず。そっちは?』


「あー俺も特に。仕事がダルいくらい。」





何それ…なんて笑い合う私たちはあの時となんら変わらなくて。
安心するのと同時にほんの少しだけ、
別れを切り出したことを悔やんでしまう。




『…じゃ、寝るから切るね。』


「…ちょい待ち、」



あまり長話するのも…と切り上げようとした時、
引き止められ待っているも聞こえてくるのはため息のようなものばかり。



『ねぇ、なんなの…』


「…連絡くれて本当嬉しかった。大好き。」




頭が真っ白になった。
あの告白以来、その言葉を言われることはなかったから。







ーもう少し、好きとか言ってよ!


ーいや〜俺らもういい歳よ?
んな事しょっちゅう言えねぇって!




そんなやり取りが不意に頭の中で再生される。
あんなに頑なに言わなかった言葉を
別れたあとで、しかもこのタイミングでぶつけてくる彼にはどうやって怒ればいいのだろう。





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設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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唯梨(プロフ) - 凛愛さん» りあちゃんありがとうねー!!!ところで夏油様ほんとうにずるくてやだ…!愛しい悲しいが混じってどうにかなりそう。そっちも楽しみにしてるからね! (2021年10月30日 20時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - えのきさん» えのきさん、読んでいただいてありがとうございます!色々ありますよね…不意に思い出して思わず書いてしまいました…! (2021年10月30日 20時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 柚葉さん» ゆずちゃん私が鬼滅でお話出すと絶対読みに来てくれるよねほんと嬉しい!!ムフフに笑ったけど← (2021年10月30日 20時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 奏海さん» かなみちゃん読んでくれてありがとう!!!次に出すてんてんはきっとかなみちゃんホイホイだと思うの…原作軸だから…!よかったら読んでね。 (2021年10月30日 20時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 羽糸さん» 爆速コメありがとう!嬉しかった〜!いやはや…その一言はほんと刺さるよねわかる…(?)。楽しさだけを求めて大フィーバーしたかった…顔がどストライクだったんだもん…泣← (2021年10月30日 20時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯梨 | 作成日時:2021年10月29日 0時

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