◆08.近くて遠い人 ページ8
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風見「なんだ、降谷さんとなんかあったのか?」
「…別になんもないです。」
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なんもない。
逆に何もなすぎて不満なのだ。
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降谷「俺がどうかしたか?」
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ピリッ…、とその場の空気が変わったのを感じた。
彼が入ってきた瞬間に、私達だけじゃなくて、その場にいた全員に緊張が走った。
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風見「お疲れ様です降谷さん、」
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風見さんのその一言を皮切りに、周りにいた部下達も次々と降谷さんの挨拶をする。
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“”お疲れ様です降谷さん!”
“あの…っ、こないだの資料なんですけど、降谷さんに記入して頂きたいとこがあって…”
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話しかけるのを一瞬躊躇っていたら、すぐに皆から囲まれてしまった降谷さん。
その一つ一つに、的確に対応していく彼の姿は、デキる男そのもので、
…本当、なんであんな人が私と一緒にいてくれてるんだろう…って、今の私は自信消失期かもしれない。
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風見「“私の降谷さんなのに”」
「…って顔してますか……、私。」
風見「あぁ。」
「そんなにわかりやすいのか……、」
風見「まあな。たまに心配になる。」
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部下達に囲まれている降谷さんを見つめる。
結局、こんなに近くにいても私の気持ちが満たされることなんてなかった。
むしろ、近くにいるのに全く視界に映れないこの状況の方が、ずっと辛いような気さえしてくる。
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風見「……そんなに心配しなくても、お前は充分あの人に愛されてるぞ」
「…へっ、…なんか言いましたか…?」
風見「いや…、そんなマヌケ顔でよく公安が務まるな、と言っただけだ。」
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右手でガッ…っと頬をつままれて、余計にマヌケ顔になってしまう。
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「…いはいれす」
風見「後で降谷さんに今夜空いてるか聞きに行くぞ。」
「………はい、」
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やっち(プロフ) - 甘々降谷さんありがとうございました。大好きです! (2022年5月20日 20時) (レス) @page38 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - この作品は何度も読み返してしまいます…!主人公もちょっとアレですが、主に降谷さんが悪い感じの拗れてる話大好きです!完結してからちょっと時間は経っちゃってると思うのですが、番外編や続編など、読みたい〜!って思っています! (2018年9月2日 1時) (レス) id: c9e037f993 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうと(プロフ) - はじめまして、素敵なお話ありがとうございます!正直言うと私は原作沿いの方が好きなんですけど、このお話は本当に大好きって思えるくらいでした。夢主もキャラが定まってて良かったので、甘鞠さんを追いかけたいと思い先ほどお気に入り作者登録しました(笑) (2018年6月30日 6時) (レス) id: 8103d530f2 (このIDを非表示/違反報告)
甘鞠(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです(´˘`*) (2018年6月17日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
甘鞠(プロフ) - マイさん» 最後まで読んでくださってありがとうございます!番外編など、なにか思いついたら書こうかなと思っているのでその時はよろしくお願いします! (2018年6月17日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘鞠 | 作成日時:2018年5月15日 23時