【鬼滅の刃】虚空ノ月光

42.優しい音 ページ45

「A」



優しい優しい音だった。


コトンと、後ろから聞こえた。



振り返る間もなく私の体は弾き飛ばされた。




「ｯｯ!?」






＿＿炎の呼吸 奥義＿＿





飛ばされた私の体を、いつの間にか煉獄さんの後ろから離れていた竈門くんと猪の子が受け止めてくれた。



「れｯ...」


「杏寿郎 やはりお前は素晴らしい!!

鬼になれ!!


俺と永遠に戦い続けよう!!」





＿＿術式展開＿＿





煉獄さんも鬼も凄まじい音を出しながら構える。






「A」





煉獄さんが私を呼んだ。



その唇は、ゆっくりと動いた。










「＿＿」








＿＿玖ノ型 煉獄＿＿
＿＿破壊殺・滅式＿＿








轟音と爆風がその場を覆う。


何が起こった？



なんで私は、間合いの外に居るの？





なんでｯ...








「煉獄さんｯｯ!!!!」




己の声では無いような掠れた声。


目の前の光景など見たくなかった。



空気の触れる音、そこから伝わってくるのは考えたくもない光景だ。





「ｯ嫌...」





土煙が消えてゆく。



その光景は、










「ｯｯ嫌あぁ!!!!」














私の心を潰した。

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