57.鴉の音 ページ13
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幽霊調査を言い渡されたあの日からもうすぐ三ヶ月が経つ。
鴉は時折私に鬼を狩りに行くよう告げるが、それ以外はずっとこの屋敷に居た。
玄楽さんは帰れと怒鳴るが、
お館様からの命令だと言うと怒鳴ることはなくなり大人しくなった。
この期間で、屋敷のことと玄楽さんのことについて詳しく分かった。
屋敷の隅から隅まで満遍なく調べ、玄楽さんのことは本人に直接聞いた。
「婆さんは若い頃に鬼殺隊をやっていたが
利き腕を失って以来鬼殺隊を辞めた
その時に目をつけられたのか鼻の聞く鬼は婆さんを見つけ
40年過ぎた時 この屋敷に居た婆さんもろとも俺の家族を喰って消えた
俺もその時に喰われて死んだ」
無表情のまま玄楽さんは言った。
私がその話を聞いた時、ボロボロと涙を流しているからすごく驚かれた。
泣くなと言われても出るものは出る。
あれほど冷たく冷たく...冷たい玄楽さんが私の頭を無造作に撫で、優しさを見せたのがこの時が初めてだった。
それ以外
土足で踏み入るな
物に触るな
探るなら片付けろ
出て行け臆病者
いろんな言葉を浴びせられましたよ。
正直ぶん殴ってやろうと思ったけれど、そんな話を聞いてしまえば殴るなど出来るはずもなく。
玄楽さんが何故幽霊になったのか、
それが不明のまま私の三ヶ月の滞在任務は終了した。
本当にこんなもので良かったのだろうか...。
お館様に連絡の為鴉を飛ばそうと呼んでは見たのだが、何故か足に白い紙を括りつけられた状態で飛んできた。
「誰から?」
「読メ!!阿呆!!」
「お前まで阿呆言うな阿呆!!!」
罵声を浴びせられたから仕返しをしたらクチバシで頭をつつかれた。
コイツ本当に凶暴だ...。
とりあえず括りつけられていた手紙を外させてもらい、その内容に目を通してみる。
手紙の最後には、宇髄天元と名が記されてあった。
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イーナ(プロフ) - めっっちゃ面白いです!!善逸くんと夢主のこのもどかしい感じがたまらないです!!更新待ってますね!!ゆっくりでもいいので更新して下さると嬉しいです!!気長に待ってますね♪ (2019年10月10日 14時) (レス) id: 4e47db8a66 (このIDを非表示/違反報告)
冬花 - 面白かったです。続き待ってます! (2019年9月10日 4時) (レス) id: 19920e3331 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 月夜 黒輝さんコメントありがとうございます!気づいていただけたこと本当に嬉しく思います。欲しい言葉も頂けて感極まります。近いうちに更新致しますので今しばらくお待ちください。本当に気づいてくださってありがとうございます! (2019年8月7日 10時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 美桜さん» 美桜さんコメントありがとうございます!大変お待たせしてしまい申し訳ございません、近いうちに更新致しますので今しばらくお待ちください (2019年8月7日 10時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - これって貴方の鬼滅の刃の小説全部繋がってますよね?多分だけど...。なので全部読んでる時楽しかったです!作品自体もすごく良かったし別の作品の夢主ちゃんが出てきたであろうところは、ああぁぁってなりました!続きをいつまでも待ってます!更新頑張ってください! (2019年7月18日 2時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月4日 17時