検索窓
今日:12 hit、昨日:2 hit、合計:120,491 hit

56.悩みの音 ページ11

.




善逸のお姉さんは、気づいた時には蝶屋敷から消えていた。


あの人の名前は確か...そうだ、Aさんだ。



一度だけ、善逸にお姉さんはいるかと聞いたことがあった。

けれど善逸は何も答えなかった。


その時の善逸は負の感情の匂いがした。



どうしたんだろうか。


否定も肯定もしなかったけれど。






「善逸」



走り込みでゼイゼイ息を吐く善逸に話しかける。

禰豆子の名前をずっと呼んでいるからちゃんと意識は有るのだろうけど話できるのかな。




「な...ッハァッ....に...ゼイッ」


「大丈夫か 善逸...


伊之助!少し休もう!」




前を走る伊之助に呼びかける。

軟弱者と叫んでいたけれど優しい伊之助は止まってくれた。


木の影に入って一息つく。



伊之助は元気だから張り切って木の上に登ったりしているけれど、善逸は疲れ切った様子で木に凭れた。





「炭治郎...



さっき...何か言った?」





やっと話せるようになったのか、善逸が俺の方へと向く。



顔が青ざめているけど大丈夫なのか...。





「善逸のお姉さんのことだけど...」




向けていた顔が、瞬時に無表情になる。


悲しそうに眉を下げた善逸は、あの時とは違う匂いをさせて口を開いた。






「姉が...どうかした?」








哀しい匂いをさせて善逸は言った。


なんだか急に別人のように思える。







「善逸のお姉さん 柱の人...だよな?


仲が悪いのか?」



「...そんなんじゃなくて





なんか 顔合わせにくい感じ」




背中を丸めてうずくまってしまう善逸。

どうすればいいか悩んでいたが、我慢できなくなった伊之助が走り出し、


それを追いかける羽目になってしまった為にそれ以上話をすることは出来なくなった。

登場人物設定→←55.分からない音



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (276 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
774人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イーナ(プロフ) - めっっちゃ面白いです!!善逸くんと夢主のこのもどかしい感じがたまらないです!!更新待ってますね!!ゆっくりでもいいので更新して下さると嬉しいです!!気長に待ってますね♪ (2019年10月10日 14時) (レス) id: 4e47db8a66 (このIDを非表示/違反報告)
冬花 - 面白かったです。続き待ってます! (2019年9月10日 4時) (レス) id: 19920e3331 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 月夜 黒輝さんコメントありがとうございます!気づいていただけたこと本当に嬉しく思います。欲しい言葉も頂けて感極まります。近いうちに更新致しますので今しばらくお待ちください。本当に気づいてくださってありがとうございます! (2019年8月7日 10時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 美桜さん» 美桜さんコメントありがとうございます!大変お待たせしてしまい申し訳ございません、近いうちに更新致しますので今しばらくお待ちください (2019年8月7日 10時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - これって貴方の鬼滅の刃の小説全部繋がってますよね?多分だけど...。なので全部読んでる時楽しかったです!作品自体もすごく良かったし別の作品の夢主ちゃんが出てきたであろうところは、ああぁぁってなりました!続きをいつまでも待ってます!更新頑張ってください! (2019年7月18日 2時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:捺稀 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年6月4日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。