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……ていうか今これ絶対下着の肩紐見えてるよ。そこを気にしてる場合でもないんだけど絶対そうだよ。セクハラだ。破廉恥だ。大体、乙女の柔肌っていうのはそう気安く触っていいものじゃないんだぞ。
壁ドンの時点で相当なダメージを被ったというのに、頼むからこれ以上余計なトラウマを植え付けないで欲しい。
次から次へと絶え間なく続く、強烈かつ悪質な精神攻撃に泣きたくなる。が、そんな連続クリティカルヒットにメンタル擦り切れ状態のレンに、口元の笑みを深くした奴は身も凍るような戦慄を覚える一言を放ってくれた。
「さて、戯れはそろそろお仕舞いにするとして―――お楽しみといこうではないか」
カラッと晴れたお昼過ぎ。世間では婦人たちがお喋りに花を咲かせながら、優雅にランチ・ティーを楽しんでいるであろう時間帯。
何の変哲もない廊下の一角に、突として漂い始める怪しさ満載のアダルティックな雰囲気。
ま、まさか本気で血を吸うつもりかこいつ……!?
全身から尋常じゃないほどの冷や汗が吹き出る。ヤバい。冗談抜きで危ない。
そりゃあ今までだってこんな風に
それが一変して、ここまで強引かつ露骨なやり方に出るアーカードに動揺しまくりのレン。
「ちょっ……ちょっと待ってよ!バカじゃないの!?何考えてんの!?
マスターの許可なくこんな勝手が許される訳ないでしょーー!!」
懸命にアーカードの胸を押しながら、パニクる頭でひねり出した苦肉の策としてインテグラの名を出してみる。
そう、“本人の同意なく、
ところが予想に反し、インテグラの名を口にしたところでアーカードを止めるには至らず。それどころか“それが何だ”と言いたげに鼻で笑い、平然とした口調で言った。
「“ついうっかりやらかした”とでも言っておけばよかろう」
「ついうっかりで
あまりにも薄く浅く軽すぎる自己中心的な動機に、レンは憤慨しながら反論する。
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作者名:壱 | 作成日時:2021年3月22日 23時