�� ページ8
そこに何やらとっても穏やかじゃない色が混じっているように見えるのは、気の所為であって欲しいが恐らくきっと気の所為じゃない。
「紅茶１杯淹れるのに、やたら時間がかかったのは何故だ？」
「う゛……っ」
有無を言わせぬ響きを伴った低い声で問われ、レンは表情を引き攣らせた。
―――そう、インテグラはいつものようにレンに紅茶を要求し、いつものように待っていた。ところがどうしたことか、いつものように運ばれて来ると思われた紅茶はいつまで経っても運ばれず、結局１時間以上も待たされていたのである。
インテグラ専属の給仕係に任命されて早数年。その間にインテグラの好みを知り尽くし、これまで彼女のために何百、何千杯と淹れてきたレンである。そんな彼女が紅茶１杯淹れるのに１時間近くも手間取ったなんてことは、インテグラも思ってはいない。
であれば、レンがこれ程までに遅れた理由は何なのか。
さっさと吐け、と言わんばかりのインテグラの問い詰めるような視線が容赦なくレンに突き刺さる。はっきり言ってもんのすっごく怖い。
(ど、どどどどうしよう……！！)
先ほどまでの幸福感はどこへやら。ビビるあまり顔は青褪め、縋り付くように胸に抱えたトレイをぎゅっと抱き締める。
しっかりとした作りのトレイは凹んだりすることなく、怯え震えるレンの不安や恐怖を一身に受け止めてくれたが、生憎そんなものに縋ったところでこの場がどうにかなる筈もなかった。
インテグラ相手に下手な誤魔化しが通用しないことは重々承知しているレンであったが、もしかしてもしかすると何事もなかったようにさり気なさを装っていればやんわりと上手く流せるんじゃないかという、これまた淡い期待も抱いていた。が、やっぱりそんな浅はかな考えは呆気なく崩れ去り、そのことにレンは焦った。予想はしてたけど大いに焦った。
「そ、それは……その……」
表情を引き攣らせたまま、レンはそろーっとインテグラから視線を逸らしつつ言い淀む。だが当然、逸らしたくらいで彼女の問い詰めるような視線から逃れられる訳もなく。
その圧の強さにとうとう耐え切れなくなったレンは、視線を足元に落としたまま、躊躇いながらも口を開いた。
「マ、マスターに美味しく召し上がって頂けるよう……よ、呼んでいたので……」
「呼んでいた？誰をだ？」
「だ、誰って……そ、その……」
言葉尻を捕らえたインテグラに、それについての返答を催促されて思わず口ごもる。
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壱(プロフ) - 死音心音2.0さん» お褒めに預かり誠に光栄。まさに感謝の極み（キリッ）いやホント冗談抜きにありがとうございます！アイス共感のみならず、こちらの気遣いまで……！マジもんの天使かよ……！？ＨＥＬＬＳＩＮＧは今なお色褪せない名作だと思っていますので、今後も宜しくお願いします！ (2022年2月11日 20時) (
レス) id: 8ec81766f6 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - HELLSING夢、しかも百合だと？オマケに文章まで最高ときたか……パーフェクトだ 壱。そしてお風呂で食べるアイス美味しいよねｯ！続き楽しみにしてます、寒さにはお気をつけて！ (2022年2月9日 2時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱 | 作成日時：2021年3月22日 22時
