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―――そう、今日は世界各国に広く浸透している、とあるイベントの日なのである。
年に１度だけ、嘘を吐いても許される日。
ユーモアのあるジョークや、いたずらを仕掛けて楽しむという風習。
年に１度の世界的な一大イベントともあって、この日になると各メディアが堂々とフェイクニュースを報じる。新聞に嘘のニュース記事を掲載したり、報道番組ではジョークニュースを報道したりと、この日ばかりは騙しても咎められないことをいいことに、あらゆるところで手の込んだものから馬鹿げたものまで様々な嘘が飛び交うのである。
そのため、インテグラは今朝のニュースを観ることもせず、新聞にも目を通さずに放置していたのだった。
流行やイベント事に興味はあっても、普段から身の回りのことに奮闘するあまり、世間の動向に気が回らないレンのことだ。今回の件に関しても、何の意識もしていなければ、アーカードが“それ”に便乗して言ったことにさえ気が付いていないのだろう。
というか、あらゆるイベント事に対して無関心そうなあの男が便乗し、尚且つそんなメルヘンチックなジョークを言ったという事実が、それこそ何かのジョークかと言いたくなるほどインテグラにとって衝撃的だったが。
まさか彼にそんなユーモラスな悪戯心が備わっていたとは……。
レンの反応を楽しむためにからかって遊んでいたのだろうが、つくづく分からん言動をとる男だ。
意外過ぎる一面ではあるものの、その意外性があらぬ方向に作用しているが為に、次回から彼を見る目が若干変わってしまいそうなインテグラだった。
それはさて置いて。起源は不明で諸説あるその風習に正式なルールというものは存在しないが、英国を中心とした一部の地域では、厳守しなければならない特有のルールがある。
それは、“嘘は午前中だけ、午後にネタばらし”というもの。
騙していいのは正午までで、どんな嘘であろうと、その日の内に必ずネタばらしをしなければならないのが決まりなのである。
“嘘を仕掛けて笑い合う”―――それがこのイベントのコンセプトなのだから。
インテグラは書斎の時計にちらりと視線を移す。時計の針は、もう少しで午後１２時を回ろうとしているところだった。
カミングアウトするには丁度いい頃合いだろう。午後も近いことだし、彼女に種明かしをしてやることにしようか。
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壱(プロフ) - 死音心音2.0さん» お褒めに預かり誠に光栄。まさに感謝の極み（キリッ）いやホント冗談抜きにありがとうございます！アイス共感のみならず、こちらの気遣いまで……！マジもんの天使かよ……！？ＨＥＬＬＳＩＮＧは今なお色褪せない名作だと思っていますので、今後も宜しくお願いします！ (2022年2月11日 20時) (
レス) id: 8ec81766f6 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - HELLSING夢、しかも百合だと？オマケに文章まで最高ときたか……パーフェクトだ 壱。そしてお風呂で食べるアイス美味しいよねｯ！続き楽しみにしてます、寒さにはお気をつけて！ (2022年2月9日 2時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱 | 作成日時：2021年3月22日 22時
