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準備し終えると、次いで紅茶の缶が収納されている棚を覗き込んだ。そこには様々な銘柄の茶葉がずらりと並んでいる。
ウォルター曰く、そのどれもが超一級品で、中には希少価値の高い逸品まであると言うのだから驚きだ。知ったら知ったで何だか恐ろしいので、あえて該当商品とその金額は聞かなかったが。
「んー……今日はどれにしよう……」
ブランドによって容器の形状も色も異なるそれらを前にして、どのお茶にしようかと考える。
一口に紅茶と言っても、その種類は実に豊富。茶葉によって様々な味と香りがあり、その
インテグラ自身がリクエストしてくれさえすればこうも悩む必要もないのだが、「茶葉に関してはお前に任せる」という彼女の発言により、その度にレン自身が選んでいるのである。
自分が選んで淹れたものを大切な主に提供するのだから、当然反応は気になるもの。不安と期待でいっぱいの心境の中、美味しいと褒めてもらえたら、そりゃあ喜びもひとしおだ。まさに淹れ手冥利に尽きると言うものだろう。
だからこそ、茶葉選びには真剣になりもする。毎度のことながら、その時その時の茶葉のチョイスに苦悩するが、彼女に委ねられていると思うとそれはそれで嬉しくもあるレンなのだった。
「―――よし、決めた。これにしよ」
ひとしきり悩んだ後に、棚から円筒型の容器に入った茶葉を手に取った。その時だった。
「相も変わらず働き蟻のような献身振りだな、小娘」
「うわぁっ！？！？」
突如、背後から揶揄を含んだ低い声が響く。思いがけないタイミングで、思いがけない人物の登場に、完全に油断し切っていたレンは思いっきり驚いた。その反動で思いっきり手元が狂い、手の中の茶葉缶が大きくジャンプする。
「わわっ！」
１度はキャッチしたものの焦りと動揺から危うく取り落としそうになったのを、わたわたしつつも何とか掴み直した。床に撒き散らすというヘマをやらかさずに済んだことにほっと胸を撫で下ろすが、まだ心から安心できない存在がいることを思い出す。誰か、なんて見なくとも分かる。そりゃあもう、うんざりとした心地になるほどに。
悪意に満ち溢れた登場をしてくれた人物に、じろりと非難たっぷりの視線を向ける。そこにはニヤニヤといけ好かない笑みを浮かべ、中央に置かれたやや大きめの作業台の縁に寄りかかるようにして立つ赤い吸血鬼―――もといアーカードの姿があった。
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壱(プロフ) - 死音心音2.0さん» お褒めに預かり誠に光栄。まさに感謝の極み（キリッ）いやホント冗談抜きにありがとうございます！アイス共感のみならず、こちらの気遣いまで……！マジもんの天使かよ……！？ＨＥＬＬＳＩＮＧは今なお色褪せない名作だと思っていますので、今後も宜しくお願いします！ (2022年2月11日 20時) (
レス) id: 8ec81766f6 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - HELLSING夢、しかも百合だと？オマケに文章まで最高ときたか……パーフェクトだ 壱。そしてお風呂で食べるアイス美味しいよねｯ！続き楽しみにしてます、寒さにはお気をつけて！ (2022年2月9日 2時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱 | 作成日時：2021年3月22日 22時
