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「無駄って…」
「あいつ、一度決めたらよっぽどのことがなければ変えない奴なんで」
現状が、そのよっぽどに当てはまってないとでも言うトントンに私は絶句から声が出なかった。
教師と生徒というのは、あまりにもよっぽどのことではないのだろうか。
私の気持ちを正確に察したのだろう、トントンは申し訳なさそうな顔のまま、さらに爆弾を落とす。
「あいつにとって大事なのは自分が興味を持てるか持てないかだけで、効率も興味がないものを片付ける一種の手段でしかないんです」
「興味って、そんな…」
「もっと言うと、あいつが興味を持つものは、ほとんどがあいつが懐に入れたいもので俺たちに悪くないものばかりなんですよ」
だから、と続けるトントンから咄嗟に離れ、その言葉の続きを聞きたくなくて険しい表情をしてしまった。
トントンから離れれば、彼は私に行動から察したのか、それ以上何も言わずに蓋を開けていたペットボトルに口を付けた。
それが話の終わりの合図だと気付いて、私は無意識に逃げるように、けれど内心を見せたくなくて平静を装いながら職員室へと急いだ。
たまたまなのか、もう遅い時間だからなのか、一人もいない職員室の中で自分の席に座った私は大きくため息をついてしまう。
トントンの最後の「だから」に続く言葉を、私は考えたくないのに考えてしまう。
私は、コネシマにとって懐に入れたい存在で、そんなコネシマをトントンたちは悪く思っていないということになる。
それが生徒としての尊敬なのか、人生の先輩への憧憬なのか…はたまた、違う意味なのか。
無意識に奥歯を噛みしめて苛立ちに似た言い得ぬ感情を静かに押し殺した。
覚悟しろと言ったコネシマの双眸が、まるで私の気持ちを値踏みされたようで気に入らなかった。
そもそも何を以って覚悟しろというのか、こちらがそれに付き合う道理も理由もない。
コネシマ次第と言ったのも、あくまでコネシマの気持ちは尊重するが、それ以上の感情は持たないように遠回しな牽制だったのにそれが悪手だったなんて思いたくなかった。
私は手に持ったままだった自分の飲み物を一気に喉に流し込み、勢いよく立ち上がった。
私は、あくまで教師として、大人の先輩として、生徒を正しい道へ導くだけなのだから。
生徒会室に戻り、私はいつも通り書類仕事を進める。
視界の片隅で私を見つめる空色のもの言いたげな視線には、気付かないように。
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舞太郎 - 禁断の恋、､､背徳感があるねーｸﾞﾍﾍ(きも)更新頑張ってください！楽しみにしておりまーすんご (2021年10月8日 23時) (
レス) @page42 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 好き… (2021年7月17日 16時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乃鴉 | 作成日時：2021年4月8日 21時
