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4月、それは桜舞い散る中新しい生活を始めるスタートラインである。
着慣れたスーツに身を包んだ私は、まだ歩きなれない道を真っすぐに歩いた。
準備のために朝早めに家を出たからか、校門にも職員室にもほとんど人は居らず自分のデスクで準備を進めていく。
暫くして職員室にも人がまばらに増え、挨拶をされて私も挨拶を返した。
始業の鐘が鳴1分前、職員室を出た私は“2-1”とプレートが引っさげられているドアの前に立ち一度深く深呼吸をした。
多少気持ちは浮きかけているが、緊張はしていない。
意を決してがらりとドアを開ければ、約30人分の視線が私に集められる感覚に気を引き締める。
黒板の前に立ち、白いチョークで自分の名字を書いて振り返った。
「昨日始業式で紹介がありましたが、今年一年このクラスを担当するAです。担当科目は現国、赴任したばかりで皆の方がこの学校をよく知っていると思うので、最初の内は色々と教えてもらうこともあると思います。それ以外で何かあったら相談してください。1年間、よろしくお願いします」
最初が肝心とはよく聞く言葉。
堅苦しい挨拶を終えた私は敢えてがらりと雰囲気を変えて言葉を続けた。
「これでも以前別の高校で教師をしていたから、気軽に話しかけてくれていいよ。もちろん最低限マナーは守ってね」
最後ににこりと笑いかければ、第一印象は上手くいったのか教室内の空気が少し明るくなった気がした。
「それじゃあHRを始めましょうか。日直の人、お願い」
「はぁい」
「えっと…鬱くん、だったね」
間延びした声と挙手された手が見えてそちらを見れば、眼鏡をかけた藍色の瞳が私見つめていた。
「どうも、鬱です。じゃあ早速なんやけど…A先生、彼氏おんの？」
「…うん？」
「いやぁ、昨日も思っとったけど先生美人でええなぁって。周りの男がほっとかんのちゃう？」
私はふむ、と返す言葉を脳内で探した。
この鬱という少年、確かこのクラスでは女癖が悪く、校内でも女子関係で色々トラブルを起こしている問題児だった。
わたしがこの学校に赴任して聞いた、ブラックリスト人物その1。
早速HRの邪魔をしてきたばかりか、口角を上げながらデリカシーのない質問をしていても他の生徒が呆れ半分興味本位半分といったところからこれがこの少年の通常運転なのだろう。
だが、先ほども言ったが私はこれでも教師としての場数は多少踏んでいるのだ。
呆れたように小さくため息をつきながら、私は鬱に答えた。
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舞太郎 - 禁断の恋、､､背徳感があるねーｸﾞﾍﾍ(きも)更新頑張ってください！楽しみにしておりまーすんご (2021年10月8日 23時) (
レス) @page42 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 好き… (2021年7月17日 16時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乃鴉 | 作成日時：2021年4月8日 21時
