Kleinod Ⅴ (ページ46)

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ジェシー「いぇーい！プチ会議ー！！」
田中「大声出すなよ、こっそりやってんだから…」
プチスペースのソファやらカーペットやらに各々座る6人は、早速プチ会議を始める。
議題は「これからどうしていくか」だった。

京本「まぁ上層部がこれから俺らの事をどう扱うかによる」
森本「と言うと？」
京本「あの時あいつらは俺らの事「化物」だって言ったでしょ？それが続くようなら、出て行った方がいい。でも今まで通り俺らの事「宝石」だって言うなら、まだ使える価値はあると思う」
ジェシー「俺どちらにせよ上層部に付き従うの嫌なんだけど！」
高地「…化物、か」

ジェシー「例えばさぁ、色んな国旅するのはどう？」
京本「へ？」
ジェシー「俺たちってさ、Δ国しか見た事がないって人多いじゃん？だからね、ここを抜け出して、色んな場所を旅するの！」
高地「さりげなく軍属やめる宣言してるね」
ジェシー「だって上層部コロコロ態度変えてウザいんだもん！」

田中「けどΔ国やめるのって、自主的でも刑罰的でもリスク高いと思うよ？」
兄の事を思い出したのだろうか、田中は諭すように言う。
ジェシー「でもさぁ！俺見て見たいんだよ、ここだけじゃない世界！」
高地「うーん…北斗は？」
松村「高地がいれば何でもいい」
高地「…そっか…」
田中「聞く相手間違ったな」

京本「高地はどうしたい訳？」
高地「え？」
森本「本当だ！班長！どうするんですか班長！」
高地「ちょっとこんな時だけ班長持ち出すのやめてよ！」
森本「でも元はと言えば高地がさ…」
高地「……うん、そうだね。何も言い返せないです、はい…」
ジェシー「ねぇ！こーちいじめないでよ！」
京本「で、どうすんの？」
全員の視線が高地の方に注がれる。
高地は、暫く考えて考えて、そして決め事の割にはかなり小さい声量で言った。

高地「…グループSでいられるなら、どっちでも嬉しい…」

森本「声ちっさ…」
ジェシー「何、こーち死ぬの…？」
田中「駄目だこりゃ、会議になんねぇ」
京本「会議とは、で検索かけたいね」
田中「でも割といい意見だと思うなぁ、俺」
松村「高地が決めたなら、賛成」
森本「俺も！」
ジェシー「HA!こーちが「6人」でいれたらいいって言うなら、俺も賛成にする～！」
京本「じゃあそうしよう。責任取ってね、高地」

全員にやんややんや言われて、高地はまた小さな声で「うん」と零した。
根拠はないけど、「6人」なら、どちらに転ぼうが上手くいく気がしたのである。

終